紅茶の香り
中学生の時、初めて紅茶を飲んだ…緑茶しか飲んだ事が無くて、少し大人になった気がした…けれど、初めての紅茶は、苦くて、もう飲めないと思っていた…
けれど、あの、初めての香りが、鼻の奥で忘れられなくて…ストレートは諦めて、砂糖を入れて、飲める様になり…
丁度その頃、読んでいた恋愛漫画で、喫茶店が舞台でもっと好きになって…勿論、喫茶店のような美味しい物は買えなくて、安い物だったけれど…
いつか…誰かと…街角の小さな喫茶店で、美味しい紅茶を飲みながら…
そう心に描いて…
愛言葉
中学生の頃、あの歌の歌詞では無いけれど、国語辞典や漢和辞典で、愛、と云う文字を何度も引いていた…まだ、相手もいないのに、まだ見ぬ誰かを想い乍ら…小学生の頃には読んでいなかった恋愛小説を読み漁り、クラスメイトの噂話を聞き、初恋を、思い描いていた…今なら、笑い話にすらならないけれど、あの頃は、毎晩、机に向かい、ラジオから流れる、ラブソングを聴いて…
屹度、何処かで、待っているかも知れない誰かに、想いを寄せていた…
友達
この関係は、壊したくない…でも、ずっと此の儘の関係でいるのも…もっと、異性として、強い絆で繋がっていたい…
何時から、あなたの隣りにいる間に、そう願う様になっていた…
始まりは、仲良しグループ同士の繋がりで、直接言葉を交わす事も無かったけれど、少しづつ、打ち解けて、偶に2人だけで、お喋りする様になっていた…
それが、何時からか、意識し始めて、恋していた…
あなたのさり気ない気遣いが、堪らなく好きになってきて…友達だけど、それ以上の二人になりたい…
行かないで
ねぇ…嘘だよね…一人にしないで…
嫌だよ…会えなくなるなんて…
ずっと一緒だって、約束したのに…
あなたが居ないなんて、今の私には、耐えられそうに無いから…
お願い…何処にも行かないで、私の隣から、離れないで…
どこまでも続く青い空
遠く、高く、永遠に続く秋の青空…所々浮かぶ千切れ雲が、白く輝いている…
そして、その空を見上げる私の隣には、あなたが居て優しく微笑んでいる…
午後のやわらかな陽射しが二人の影法師を、重ねているね…言葉は無くても、ただあなたの温もりだけがあれば、それでいい…
ずっと夢見ていた、この一時の幸せが、この青空の様に、何処迄も続いて欲しいって、神様に、そっとお願いしているよ…