秋恋
少しだけ、和らぎ始めた残暑…昼間は、まだまだ暑いけれど、夕方は、幾分か、凌ぎやすくなってきた…
虫の声を聴きながら、空を見上げると、輝く満月が、夜空を照らしている…
こんなに綺麗な夜空を、一緒に愛でる相手が居たならなんて想ってしまう…
少しだけ早くなった夕暮れが、一人になると、人恋しくなってくる…
思わず、誰か…一緒に…なんて、独り言が、溢れてしまう…
大事にしたい
あなたとの時間、何よりも大切だから…
そう云って呉れる、君が私も、愛おしい…出会って、半年だけれど、ずっと前から付き合っている感じ…一緒に居るのが当たり前で、違う家に帰るのが、凄く辛いくらい…
この奇跡的な出逢いは、運命だって想っているから…
時間よとまれ
此の儘…
あなたの腕に掴まり、ただ俯くだけ…
心の中では、
行かないで…
此の儘ずっと一緒に居た
い…
時間が止まって…
なんて叫んでいるのに…言葉にならない心の声が、喉元で支えて…
永遠に・・・時間なんて止まってしまえばいいのに…
夜景
地方都市の郊外で育って、田舎に移住した…
其れまで、街中の夜景と星空を見るのが、当たり前の事だったけれど…
引っ越しして、星空と、所々に点在する街灯が主主な夜景に変わった…
広々とした田圃を中心に、点在する集落…昔ながらの大きな農家の佇まい、周りを生け垣で囲っていたり、大きな木で茂っていて、灯りも目立たない…
夜景らしいものは、無いけれど、星明かりが寂しさを紛らわせてくれる…
花畑
何処迄も続く、秋桜…
風に靡く姿が、可憐だと思う…
なだらかな丘の向こうまで続くこの、秋桜の花畑…余裕の無い僕は、贅沢なデートなんて連れて行けなくて何時も、安上がりなところにしか、君を連れて行けなくて…その度に、申し訳なくて、本当に、僕で良かったのかな…なんて思ってしまう…
でも、君は、何時も嬉しそうに、笑ってくれる…貴方と一緒にいるのが、一番楽しいんだから…
そんな君の優しさに、つい甘えてしまうけれど…でも、また、次の年も、その後もずっと、この秋桜の花畑を一緒に見に来たい…