空が泣く
待ち合わせ場所も、時間も、間違っていないはず…そりゃあ、舞い上がって、約束よりも、随時早く来たけれど…周りにも、待ち合わせの人影がちらほらしているけど、いつの間にか入れ替わっている…
時間が過ぎても、連絡も来ない…段々俯向き加減になって…気が付くと、アスファルトに、ポツポツと、雨粒が落ちてきている…
まるで、空に、私の気持ちが、届いたように…空が落とす涙が、心の奥底まで沁みてくる…
もう、だめ…かな…
そう思いはじめて、一歩踏み出した、時…
君からのLINE
突然届いたLINE…何年振りだろう…アカウントは、其の儘残していたから…
逢いたい…
自分勝手だって判ってる…でも、あなたに逢いたい…
そうメッセージが届いていた…
あの日、突然君から、呼び出されて、さよならを告げられた…明瞭、理由も聞けない儘、君は、去って行った…私は、呆然と後ろ姿を見送っていた…
あの日から、ずっと君を想い続けていたから…勿論、君への好意と、君への遣る瀬無い思いを、織り交ぜ乍ら…
メッセージを見て、迷わず…
命が燃え尽きるまで
生まれて、初めて、この人なら…と想えたあなた…
知り合ったのは、一通の手紙…ペンフレンドを募集した私に、一通だけ届いたあなたからの封筒…
何度かやり取りしてお互いに顔を合わせたのは、10月の雨の夜…
其れから2年位お付き合いして、お互いの気持ちを確かめ合って、一生を共にし合おうと決めた…
この命が果てるその日迄…
夜明け前
藤村の詩集だったか…
そんなことを思い乍ら、カーテンの隙間から、外を覗いてみた…薄っすらと、白み始めた、空が見えた…
最近、この時間になると、目が覚める…起床には、まだ早く、二度寝してしまうけれど…
しかも、決まって、あの人の夢を見て、目が覚める…もう、同仕様も無いあの人なのに…手の届かないあの人なのに…
本気の恋
新しい恋する度に、今度こそ、本気だから…そう思ってきたけれど…
でも、初恋から全て、その都度、本物で本気だった…誰にも負けない位、本気で愛したし、愛おしい気持ちで、溢れていた…それなのに…