最初から決まってた
あなたとの出逢いは、屹度運命だよ…口には出さないけれど、そう思っている…
初めて逢ったのは、あの図書館…好きな作家の本を探していて、漸く見付けて手を伸ばしたけれど、ちょっと届かなくて困っていたら、何も云わずに取ってくれたね…私にその本を渡すと、その儘すっと立ち去ったね…其れから、何度と無く、あなたの姿を見かける様になって、でもあの日以来、なかなか言葉を交わす事も無くて…せめて、お礼くらい伝えたくて、ずっと機会を探していたら…
偶々、図書館の近くのカフェに入るあなたの姿が見えて、何となくあとを追ってから…
太陽
ジリジリの照りつける真夏の太陽…照り返しも、容赦無くまとわりつく…
青空には、真っ白な雲と、眩しい太陽が浮かんでいる…噴き出す汗と、煩い蝉の声、時々吹く熱風…得も知れないといイライラと、肉体的な疲労とで、心身共に押し潰されそうになる…そんな、いつ果てるとも知れない夏の一日を、せせら笑うような、容赦無い夏の太陽が、恨めしい…
鐘の音
鐘の音といえば、近所のお寺の梵鐘くらい…朝夕に聞いて育ったけれど…今どきは、騒音とかで、聞くことも無い…
時計を持たない子供の頃は、家路への誘いだった…夕陽が彩る西の空を見上げ乍ら、烏を数えたり、一番星を探したりしていた…
友達と、バイバイする寂しさや、家々から流れてくる夕飯の匂い、自分より大きな影法師…そんな何気ない日常と、あの胸に沁みる鐘の音…
つまらないことでも
真面目すぎるあなた…広いがら空きの駐車場でも、矢印通りに進むし、草取りも細かいものまで取るし…でも、不器用で、何処かズレていたりする…不器用なのに、真面目で、その不釣り合いが、何となく憎め無いと思う…
つまらない意地を張ったり、面白くも無いギャグで笑わせようとしたり…そんなちぐはぐだけれど、一生懸命な感じに、愛おしいと思う…
目が覚めるまでに
久しぶりに、君と出逢えたね…あれから、変わらない姿に、ちょっと複雑だけれど…
勿論、夢なのは判っているよ…最後にあったのは、高校生の時で、目の前の君は、制服姿の儘で…
あの日、君に伝えたくて、言い出せなかった想いを、今、伝えたい…