小さな命
まだまだ寒い2月なのに…まるで枯れ木のような、老木の梅に、白い花が1輪咲いた…もう長いこと空き家の庭にあるその梅の木は、近隣の梅の木が見頃になった頃、漸く花を付け始める…
東風吹かば匂ひ興せよ梅の花主無しとて春な忘れそ
確か菅原道真公の歌だったか、この老梅の最初の一輪が咲くと、毎回思い出してしまう…小さな花だけれど、春の足音に、小さな命を感じる…
LOVE YOU
初恋…遠いあの季節、毎日ドキドキしながら、きみを探していた…思春期って時で、それまで、異性を意識したこと無かったのに、ある日突然、どうしょうもなく、きみの事が、気になりだした…
夜、机で宿題をしているのに、急に色んな言葉が浮かんで来て、手元の国語辞典で、接吻だの、恋だの、愛だの…そんな事を何度も繰り返し調べては、結局解らないまま、モヤモヤした気持ちで、辞書を閉じた…
そんな淡い想いを告げられずに、いつしか、きみと会うことも出来なくなり…
あの日々が、思い出に変わろうとした今、同窓会の通知が届いて、其処に並ぶきみの名前に…
太陽のような
あなたの笑顔が眩しくて…
モノクロの世界で生きていた私に、まるで、明け方の朝陽の様に、少しずつ光が射してきている…
あなたを初めて見かけた時、他の誰かとは違う、何かを感じた気がしていた…人混みの中で、あなたの周りにだけ、違う光を感じた…まるで、春先の陽だまりのような、柔らかくて、優しい、穏やかな…それから、いつしか、あなたを目で追う毎日…それと共に、彩に包まれていく…何となく、この言い表せ無い気持ち…あなたの優しい気持ちに届けたい…
0からの
あなたと、この路を歩きたいから…そう想い乍ら、ずっとこの時を待っていたんだ…初めて、あなたを意識した時から、あなたの側に居たいと想い続けて、でも、なかなか一歩が進めなくて…幾つかの季節が過ぎて、漸くこの時が巡って来て…あなたに、素直な気持ちを伝える事が…
同情
何か…ちょっと哀しくて、口惜しい…あなたと、対等だって思っているのに、何時でも、少しだけ先を歩いていて、年上の雰囲気だから…
いつも、優しくて、ちょっとした事にも、気付いてくれて、たまにギュッと抱き締めてくれるのが、たまらなく嬉しい…けど、それが出来ない自分が情けなくて…勿論、あなたが、私を想っていることは判っているし、その気持ちは、心地よくて、もう離れられない…素直に受入れられない自分が、たまらなく嫌で、自己嫌悪になってしまう…