多田野一人

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12/25/2023, 1:50:29 PM

クリスマスの過ごし方
街もマスコミも、クリスマス一色に…煌めくイルミネーション、甘くささやくクリスマスソング…行き交う恋人達が幸せそうに寄り添う姿に、少しだけ…否、大きく心の中が締め付けられる…あの時、素直になれたなら…あなたの温もりが、まだこの手のひらに残っているのに…一人で歩く街の道は、余りに切なくて…

12/24/2023, 2:06:43 PM

イブの夜
建ち並ぶ家々の窓辺から溢れるきらびやかな光が眩しい…一人で歩く夜道は、いつもよりずっと淋しくて寒い気がするイブの夜…手袋を忘れて悴む手を、ポケットに突っ込んで、背中を丸めて…
予定では、小洒落たレストランに予約を入れて、あなたと窓際のテーブルで、夜景を愉しみ乍ら、グラスを傾け、サプライズでプレゼントを渡すはずなのに…
溜息をつきつつ、玄関の鍵を開けて、電気を点けると、真っ赤なドレスを纏ったあなたがいて…びっくりしたまま、何も言えずにいると
メリー・クリスマス
ってとびっきりの笑顔でハグしてきた…

12/23/2023, 4:29:07 PM

プレゼント
サンタさん、来てくれるかな…幼い頃、クリスマスツリーの季節になると、いつもあれこれ欲しいものを考えていた…その内、サンタさんの正体を知って、ちょっと悲しいこともあった…
あれから、大人になって、今は、君と出逢って、初めてのクリスマスを迎える…きらびやかなクリスマスツリーやイルミネーションを愉しんで、軽く腕を組み乍ら、夜道を歩いている…見上げた空には、満天の星たち…心の中で、そっとサンタさんに御礼をした…素敵なクリスマスプレゼント、ありがとう…

12/22/2023, 2:20:30 PM

柚子の香り
この蜜柑どうしたの?まだ青いし小さいし…食卓の上に、グツグツなったお鍋と一緒に、半分に切ってある蜜柑らしいものが並んでいる…
これは、蜜柑ではなくて、柚子だよ、と笑い乍ら、教えてくれた君…サクッと手を洗ったり着替えをして、食卓についた…向かいに座る君は、食器に具材を移して、こうして、と言い乍ら、その柚子をギュッと絞ってかけてみせた…すると、柑橘の爽やかな香りが、鼻腔に届いた…良い香りだねって言ったら、君は優しく微笑んで…寒い夜が、一瞬で、暖かく感じ…

12/21/2023, 3:10:53 PM

大空
見上げると、蒼蒼とした空が拡がって…所々に真っ白な雲が綿毛をように浮かんでいる…じっと見ていると、何だか翔べそうな気がしてきた…周りに誰もいないのを確認して、両手を拡げて目を閉じる…ふわりとした感覚がして、目を開けると、並木のメタセコイアが、眼下に小さく見えた…風を感じ乍ら、気まぐれに宙を漂う?のが、迚も心地よくて…遥か下では、行き交う車や人々がジオラマのように見えて、何だか微笑ましく見えた…

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