多田野一人

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イブの夜
建ち並ぶ家々の窓辺から溢れるきらびやかな光が眩しい…一人で歩く夜道は、いつもよりずっと淋しくて寒い気がするイブの夜…手袋を忘れて悴む手を、ポケットに突っ込んで、背中を丸めて…
予定では、小洒落たレストランに予約を入れて、あなたと窓際のテーブルで、夜景を愉しみ乍ら、グラスを傾け、サプライズでプレゼントを渡すはずなのに…
溜息をつきつつ、玄関の鍵を開けて、電気を点けると、真っ赤なドレスを纏ったあなたがいて…びっくりしたまま、何も言えずにいると
メリー・クリスマス
ってとびっきりの笑顔でハグしてきた…

12/24/2023, 2:06:43 PM