多田野一人

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11/29/2023, 2:14:02 PM

冬のはじまり
吐息が白く見えるね…少し寒くなり始めた夕方、少し身体を屈め乍ら、でもちょっと嬉しそうに微笑う君…寒いから、と云いながら、私のコートのポケットに手を入れていたのを、やっぱり…とまた出すと、手を握ってきたね…矢張こっちの方が暖かいよ、とちょっと冷たい手を絡めてきた…私、寒いのは苦手だけど、こうして手を繋ぐ口実出来るから好き…頬をほんのり赤らめ乍ら、小さく呟く君の声が、胸で響いた…初めて過ごす二人の冬は、寒いけれど、少し火照る事になりそう…

11/28/2023, 1:59:52 PM

終わらせないで
ねぇ、憶えてる?あの日のこと…そうあなたに云うと、あなたは唇をキュッと噛んで瞳を逸した…
あれは、満開の桜の並木道で、お互いの気持ちを、確かめたあの日…ずっと片想いを温めていて、前の夜、ドキドキし過ぎて一睡も出来なくて…この櫻が散る頃には、もう逢えなくなるかもしれなくて、だからもしかしたら、もう二人で逢うきっかけも無くなるかも…何て思いながら、あの日を迎えた…
だから、決してこの関係を失いたく無いから…この先もずっとずっと続いて欲しい…

11/27/2023, 2:49:34 PM

愛情
あなたに、愛されたい…
日を追う毎に
どんどん欲張りになってゆく…
手が空く度、あなたを想う…
遠い存在のあなたが
私に、気付く事などないけどでも、あの日から…
あの日、あなたの事を知り
初めてあなたの姿に、恋して
…今はただ、あなたから
愛されたい…

11/26/2023, 2:56:42 PM

微熱
何となく何時もと違う…念の為に体温計を取り出した、が平熱を示していた…特に思い当たるものは無くて…
そして、昨日を振り返ってみた…すると、急に君の顔が浮かんできて、また体が熱くなってきた…
久しぶりに君から連絡が来て、逢わない?って言われて、待ち合わせをした…近くの居酒屋に入った。其れから普段飲み慣れないアルコールを口にして、すぐに酔って…途切れ途切れの記憶を辿ると、居酒屋を出て、酔醒ましに寄った近くの公園のベンチで、君とキスして…其処から先が思い出せない…ただ唇に残る君の感触と、君の瞳が…

11/25/2023, 1:32:15 PM

太陽の下で
冬の青空は、寒いけれど気持ちいい…北風が冷たくて、ポケットに手を突っ込んで猫背になってしまうけれど、凛とした空気も悪くない…陽射しもだいぶ低くなり、夕暮れも早くなり…色付いた木々がやがて枝だけになり、薄もやがて立ち枯れて、代わりに山茶花が彩りを添える…
でも本当は、冬は苦手で、でも、冬の青空は迚も好き…

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