置いてけぼりにしてきたもののことを考えてる
一緒に連れていってあげたらよかった
左の手がどんなに震えても怖くても、
ペンを持ちつづけ、紙の匂いを忘れてはいけなかった
いちばん捨ててはいけない、
真っ直ぐ立つための芯だったのに
もっとみんなに見せびらかしたらよかったのに、
線香花火をみるときの
桜の砂時計を思い浮かべるときの
こころは確かに芯から描いていたのに
一切の侵入を拒んで、腐らせてしまった
いま、何かに寄りかからないと文字も読めない
後悔ばかり、後悔ばかり
取りに帰りたい、すくってあげたい、振り返っていま

いや、振り返ってる
少しずつ、少しずつ芯に栄養を与えるための
人生の落とし物を拾って歩いてる
あす、膨れ上がった巨星におしつぶされるとしても
芯を再び甦らせるために歩き出す

花札をおぼえました、たなばたに
母とばあばと優しい兄と三毛と
花見で一杯、猪鹿蝶
ばあばに教えてもらったこと忘れない
風情がある夜を流れる心地がする
電子の蛙の声も特別に聞こえる
地面はサウナみたいな熱風を跳ね返し
空では涼やかな顔した天の川がみれんのか
三毛猫もはふはふしててあっついよう
たなばたすてきだね かえりたくないよう
こんなひがあっていいものだろうか
あまり意識してこなかった日だけどさ
星のゼリーでも食べて、扇風機に吹かれたい

最近おもうんだけど
道ばたの花の存在に気づかない人の方が
幸せなんじゃないかな

赤い糸…今まで全部ちょんぎってきた！

ここではないどこかにいってきえてしまいたい
それでもしっかりごはんはたべ、おふろにはいり、よくねるのよぜったいに それだけはまもる
ことばをなくすほどむねがざわついても
なにかしらかくのよ なんでもいいから
それがだいじなのよ