らくだい寸前のおてんば魔女っ子みならい
銀河を走る列車でずぶ濡れの親友を失った猫
もしくは砂漠に不時着した王子思いの飛行士
ふかふかのベッドを大事にしているそらまめ
大きなパンケーキたべてねたい
アツアツのハッシュドポテトをかじる
ワイパーがはじくあまつぶを追う
向こうで天使がはしごをかけている
さまを伝える曇天のドライブ
色えんぴつでいちど描いたことがあって、そのまま
月ごとの花々を担当することになって、
6月のスケッチはあじさいだったのですわ
複雑に集まったカタチがイヤなぁと思って、
ちいさなしかくの集合体に再解釈することにした
『あじさいは小さなしかくの集合体である』
そのあとで微々調整しては、花らしくまとめてやればいいんだよと、それらしい色も手に取って水紫青紺…。
以来視界には入っても見えなくなって今日この日、また!
ひらがな4文字でちょこんと座っていらっしゃる
あんなに見つめあって久しいが変わらずに、
どこの花よりも雨と結びついて離れずに、
寒色の、ともだちはカタツムリと思っている
ほんとうにあじさいをみたことはないのかも
ほんとうにあじさいをみたことはないのかも
きっとしかくい集合体なんかでも、本当はないだろう
晴れるような、きいろい紫陽花ってあるかしらぁ。
最後に残った花びらに、限りなき一滴の不満でもあるのなら、それはもうちぎってむしゃむしゃ食べて、茎は放り投げてしまえばいいという、ほんの少しの運命の変更。
坂を降りて橋を街道寄りにわたった先においしいラーメン屋がありますが、実はおいしいのはラーメンではなく、ニラレバ炒めとしょうが焼きなのだ
自動販売機で買ったメロンソーダ2つ並べて置いた、夏の暗い夕方、川沿いに連なるオレンジの街灯を覚えてます
どこもかしこも坂ばかりやあ!
なぜなら山を切り崩してできたという街だから
あの坂をのぼれば中学へ
〈あつい無数の蝉の声、空は緑緑で囲われている〉
そっちの坂を下りて小学校
〈汗とメロンと教室がまじった男の子の匂い〉
今はもう、すべての坂は消え失せ、日常平坦を乗り継ぐ電車が、全てを薙ぎ払う速度で直線的な移動を繰り返している!
ただまどろめることはよいのかもしれない。
けどアスファルトを踏みしめる足元で、揺れる木漏れ日をみなくなったなあということだ
でも最後、結局、坂は登ることになる、家に帰るから。