NotNoName

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10/13/2023, 9:40:51 AM

放課後はすべてがどうでもよくなる
大嫌いなあれこれから解放されて自由を感じるからだ

学校を後にしてすぐ側にある秘密の場所へ足を運んだ
そこにはこっそり集めた大切なガラクタたちで溢れている
ぼろくてどこかが欠けたりしているお気に入り達
辛い日には家に帰らずしばらくそれを眺めて過ごした
家でも学校でもない誰も知らない自由な居場所
自分だけの秘密基地 感情たちの解放区
それが自分の拠り所だった

もしこの場所が無くなったら自分はどうなるんだろう…

その無意識によって魔が差した
気がついたら基地へ火を放っていた
積み上がっている何もかもが不揃いな本が燃え上がる
誕生日に貰ったぬいぐるみも炎に包まれていく
家族からのもの 友達からのもの あの人からのもの
記憶の染み付いた物たちがすべてが灰に変わっていく
なんとなく気に入って今日拾ってきたライター
そんなつまらないものがすべてを終わらせた

放火後はすべてがどうでもよくなる
大好きなあれこれから解放されて自由を感じるからだ

解放区からの解放
自由になれたはずの心は辺りを舞う灰と同じ色をしていた

10/11/2023, 10:38:56 AM

カーテンを開いて外を見てみると車が十台走っていた
車が十台

10/10/2023, 2:39:49 PM

人が悲しみに包まれたとき論理は息を潜める
頬を伝うものは因果の網目を避けるように滴り落ちる

涙は根拠から流れるの?
息を吹き返した論理が尋ねる

そうだね そうかもしれない
情緒は穏やかにそう答えた

子を前に親は泣き続けてはいられない

10/9/2023, 10:31:47 PM

心踊る なんて人が何でもしれっと人にすることの表れだ
擬人法によって身体がないものにダンスまでさせている
一方的に身体を与えてそれを人として扱うなんて
そんなのは酷い 私の心が泣いているよ

10/8/2023, 2:33:34 PM

自我は知覚の束である
経験から得られたものの束が自我を織りなす
哲学者のヒュームはそう考えた

知覚から離れるひととき
それは眠ることだろう
夢も見ずにただ眠ることだ

眠りは自我という一つの束からの解放を指す
束から離れたそこでは何が起きているかはわからない
何が起きているかを経験する束がないからだ
そして目が覚めることでそこから束に戻る
そこを間として再び束が織りなされる

束と束の間 そこでは時間さえも経験できない

束の間の休息

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