7/6/2025, 10:58:36 AM
恋空と星の猫
夜空に流れ星が走った瞬間、彼女の腕の中に、小さな黒猫が落ちてきた。
「…あなた、どこから来たの?」
猫は金色の瞳で彼女を見上げると、ふわりと声がした。
「僕は“星座の猫”。願いを届けるために空から落ちてきたんだ」
「え…? しゃべった…?」
彼女は戸惑いながらも、震える猫を抱きしめる。
外は冷たい夜風。見上げれば、星々が瞬いている。
あの日から、彼がいなくなってしまって、何度も見上げた空だ。
「私…叶えたい願いなんて、もうないの」
「本当? 心の奥にあるのに、気づいてないだけじゃない?」
黒猫はしなやかに尾を揺らすと、空へ向かってぴょんと跳ねた。
その瞬間、世界が反転したかのように、星空が足元に広がる。
彼女は気がつけば、星座の道を歩いていた。
一番輝く星のそばに、彼が立っていた。
懐かしい笑顔で、そっと手を伸ばす。
「もう泣かないで。
僕はここで、ずっと君を見ている」
頬を伝う涙が光になって、空に溶けていく。
彼女の手に残ったのは、小さな星の欠片と、
黒猫のあたたかなぬくもりだった。
「さあ、目を開けて」
次の瞬間、彼女は元の夜の街に戻っていた。
腕の中の黒猫は、もうただの猫の姿になっている。
だけど瞳の奥で、星がひとつ瞬いた気がした。
その日から、彼女は夜空を見上げるたびに思う。
“恋空”は終わらない。
あの星のどこかで、彼が見守っていると。
1/21/2025, 7:00:35 AM
心残りが一つある。
それが解消されない限りは本当の意味で前に進めないだろう。だから私は踏み出すことにした。
何とかなる。何とかしてみせる。