記録は
自分のため
人のため
役に立つものを残そうとする

父が使っていた小屋を
片付けていたら
小さな帳面を見つけた
鉛筆書きで
種をまく時期
収穫のコツが書かれている
この場所の
春夏秋冬の知恵が詰まった一冊
残された一冊

いつもは
のんべんだらりの私だが
急にこれだと思いつく
さぁ冒険だ
と　冒険の口がひらいて
あれよあれよと言う間に
違うところにいたりする

うまくいったり
いかなかったり
自分の決めたことなので
文句は言えない
ウロウロする間に
だんだん格好ついたりする

花の中でも
ラナンキュラスラックス
が気になる
一輪だけでも
なめらかな光沢のある花弁で
存在感のある花だ

今の時期
園芸センターで鉢植えが
売られているのは知っている
自分の腕前で
枯らさず咲かせられるか
いつも逡巡するうちに
2月が過ぎ　
3月が過ぎる

魔法が使えたら
そう想うと
流しにいっぱいの
汚れた皿を思い出す

子育てが大変だった時
ミルクを飲ませ
絵本を読みきかせ
宿題をみてやると
いつの間にか眠っている日々

１日は24時間だけど
とても足りない
あと5時間あればと
いつも思っていた

5時間あれば
皿洗いを20分で済ませ
あとは
ぐーぐー高鼾だ

めったに会えないから
会えばうれしくなる虹
向こうから来た学生2人は
日常生活では
ありえない動きで
東の方を見てうれしそう

君らと見る虹は
よく見ると二重虹
消えてしまいそうな七色
富士山や
満月は
はっきり見えることに
価値があるが
虹はぼんやりでもいい
少しでも見えれば御の字だ