家の前の小さな庭
去年は5月くらいになると
雑草がどんどん増えた
梅雨のひと雨ごとに
うれしそうにズンズン伸びる
2回か3回かは
草刈り機で刈ったが
とても追いつかない
まるでススキのような
イネ科植物が生い茂る
今年は春から気合いを入れた
除草シートや
グランドカバー植物の
助けを借りながら
庭をゾーン分けし
草取りを頑張る
イネ科植物は
株も大きく根も深い
水をやらなくても
根を伸ばして自ら取りに行く
君が立派なのはよく知ってるよと
声をかけてあげたい
脳裏に今でも
思い出すのは
自分は高校生には
なれないと思った
小学生のわたし
それまでに
溶けてなくなる気がしてた
三人姉弟の真ん中で
なかなか光があたらず
父母も休日は野良仕事
封建時代のなごりの環境
私は人が見えず
劣等感のかたまりで
自分が一番不幸なのだと
思っていた
そんな私も
高校生になれた
私の道はいつも細いが
自分に合った道が
なんなのか
わかるようになった
人にものを頼むのは
難しい
どんなに話し上手でも
話の底にかすかな
違和感を感じる時がある
そうなると
言葉は説得としての
意味をなさなくなる
人は言葉と心が一体となると
安心感を醸しだすものだ
母として
子にかける言葉は
子を思っての事と
信じてはいるが
子は顔をしかめる
母の話の真ん中にある
大いなる不安を
聞き飽きた
からかもしれない
今日はとても冷えた
こんなに寒い日は
お鍋にしようか
それとも 他になにか
あたたかいもの
冷凍のかき揚げがあったな
少々 手抜きだけれど
今晩はかき揚げそばにする
芯まで凍えたひとが
帰ってきた
温かいそばをすすめる
大きなテーブルの端に座る
あなたとわたし
テーブルのはしっこの
小さな憩い
広い広い
どこまでも続く
緑の風景
この場所は植物園
花壇と雑木林と芝生
職員さん達が丹精こめて
百年間 守ってきた土
その柔らかい土の上に
柔らかい雨が降る
雨粒はすーっと吸い込まれ
土の粒子のすきまを落ちて行く
いろいろな植物の根に
触れながら