願いが1つ叶うならば
世の中や社会の理不尽さを知らなかった
3歳くらいに戻りたい。
嗚呼、これだからこの世界は素晴らしい。
この世界はとても魅力的だ。
生きているだけで楽しいことも辛いことも学べる。
これがどれだけ素晴らしいことかあなたは知っているのか。
この世界で生きていれば暇な時間など僅かしかない。
忙しいということがどれだけ幸せなのか、
何もない世界でただ一人、
時間が過ぎるのを待つ人生を送ってみたらわかるだろう。
小学生の頃、弟と僕だけが知っている秘密の場所があった。
そこは人目のつきにくい雑木林の中にあり、
テントを広げて放課後によく一緒に遊んでいた。
昨日、16年ぶりにそこを訪れると豪華な家が建っていた。
そこの土地は去年弟が買い取って、
先月やっと家が完成したらしい。
ピンポンを押して入り口の門を開けてもらい
家の玄関まで歩いたが結構距離があった。
その途中で視界の左側に豪華な家にそぐわない
テントが映り込んできた。
それは小学生以来見ていない黄色と赤の
ストライプのテントでテントの入り口のところに
汚い僕の字でひみつ基地と書いてあった。
ラララ...ラララ.....ラララ.......
どこからか誰かの歌声が聞こえてきた。
窓から下を見下ろしてみると外には誰もいなかった。
その代わりに今もなお鳴り続けるレコードプレーヤーが
家の玄関の正面にぽつんと置いてあった。
急いで1階に降り、玄関を開けてみると
レコードプレーヤーが置いてあった。
だが、レコードは挟まれていなかった。
なのに今でも誰かの歌声が聞こえる。
その音はレコードからではなく庭の方から聞こえていた。
具体的には去年うちの愛犬の遺骨を
埋めた場所の付近から聞こえていた。
私の2m先くらいを好きな人が歩いている。
この時間が一生続いてほしいと思って歩いていると
廊下の突き当たりが見えてきた。
私は2組で好きな人は5組。
2組は右手側に、5組は左手側にある。
だから必然的に私と好きな人は離れなければならない。
もうすぐ好きな人が左に曲がる直前で左側の開いていた
窓から強い風が廊下に入り込んできた。
そのタイミングで風が私にプレゼントを運んできた。
風が運ぶもの、それは好きな人の汗と洗剤の匂いが
入り交じった私の好きな匂い。