眼下には淡い金色に輝くススキの穂が広がっている。
空を仰げば雲一つない空に満月が映えている。
だんだんと寒くなる風に吹かれながら今年も秋の終わりを
感じ始める。
私の脳裏には今でも元カレくんとの記憶が焼き付いてる。
元カレくんと出会った場所。告白されたときの場所。初デートの場所。最後のデートの場所。別れた場所。
これ以外にも仕草とか好きな食べ物とか全部覚えてる。
別れてからもうすぐ1年経とうとしているけど未だに元カレくんとの記憶を忘れることが出来ない。
私の前に元カレくん以上の人が現れるわけないよ。
もう一回だけでいいから会いたい。
会いたいっていう理由だけで死んだら元カレくんに
怒られちゃうかな?
明日も生きれますように。
そう神様にお願いした。
この行動に意味があるのかは分からない。
たぶん意味はないだろう。
でも私は意味のないことに縋ってでも明日を生きたいと思うようになってしまった。
ある1人の男のせいで。
告白を受け入れるあなた。
告白をする私。
デートに誘うあなた。
デートに誘われる私。
プレゼントをくれるあなた。
プレゼントをもらう私。
ホテルに誘うあなた。
ホテルに誘われる私。
私と喧嘩したあなた。
あなたと喧嘩した私。
私に構わないあなた。
あなたに構われようとする私。
可愛い子を見つめるあなた。
あなたのことを見つめる私。
他の子と話してて楽しそうなあなた。
あなたと話せなくて悲しい私。
他の子と帰るあなた。
1人で帰る私。
告白されてるあなた。
見守る私。
デートを断るあなた。
デートに誘う私。
私のことを振るあなた。
あなたに振られる私。
他の子と付き合うあなた。
独り身の私。
私とあなたの恋愛はただのおあそびだったのかな。
私は柔らかい雨と聞くと「甘雨」を思い浮かべます。
「甘雨」とは、草木を潤し生長を促す春の雨。
恵みの雨、「慈雨」とも呼ばれる。
私はこの言葉の意味を聞くとこう思ってしまいます。
私の心も成長させてくれたらいいのに。
実際に私の心も成長してくれればいいのですが、16年以上生きてて16回以上甘雨を経験しているはずなのに私の心は一向に成長しません。
どうか来年の春は私の心をも成長させてくれるような
柔らかい雨が
降り注ぎますように。