これは失恋の物語。
はじまりは、星が輝くレストランにて。_
「今までありがとね。」
ファミレスの片隅。
大きめの窓の外を見つめ、私は呟く。
日が落ちてもう随分経ったからか、家族連れは居なく、寂しい雰囲気の地元にあるファミレス。
今日は星がよく輝いているからかあまり暗くない。
ここは私と君の行きつけだった。
君は居ない。
薄々気づいていたよ。
認めたく無かっただけなんだ。
このファミレスには家族連れどころか
私以外は人っ子1人来ない。
だってここは…、
現実から逃げるように、
何かを探すように閉じていた目を開く。
ボロボロの窓の外を見つめ、私は涙を流す。
止まった時計では時間はわからない、もう人なんて忘れてそうな机や椅子、寂しい雰囲気の近所にある廃墟のショッピングセンター、フードコート。
今日は満月だから星は見えない。
ここは私の、私と君の行きつけだった。
もう来ることはないだろう
輝く満月が君を連想させる。
満月のように明るい君とまた共に話したい、
星を眺めて語りたい。
だけれど君の正体を知ってしまった私は、
君と心から語り合って、楽しんで、なんて
もう絶対に『無理』なのである。
君はここは、全部私の想像なのだから。
4年間仲良くしてくれた君にここにサヨナラをして
今日から私は現実と向き合っていく、
「絶対帰って来ないからな!」
不安なこと、辛いこと_
親友が半年以上学校に来れていないこと。
最終学年なのに
受験もあるのに
行事だって沢山あるのに、
私は君と一緒に頑張りたかった。
楽しみたかったのに…。
家庭の事情らしいけど、
私は君のことを何も知らない。
多分…って噂しか知らない。
会いたい
そして一番辛いこと_
君に大きなとどめを刺して
来なくさせてしまったのが私だということ。
悪気があった訳じゃない。
君が先に私を1人にしたんだ。
他の子と仲良くしていたんだ。
すぐに休んでいたんだ。
嫉妬と依存防止のため
私は、他の子と仲良くした。一緒にいた。
そんなのただの言い訳だけれど
実際、君が休みがちだったのは
当時病んでいたからで辛かったんだよね。
それなのに、そんな時期に、私は…
謝っても謝りきれないことだと思う。
あの子は優しいから笑って許すだろう。
「違うよ。」「そんなこと思ってないよ。」と
笑って言ってくれるだろう。
でも時間は過ぎてしまったんだ。
戻って来ないんだ。
本当に申し訳無くて毎日心の中で謝っている。
君が来なくなって半年間、常に頭の中に君が居る。
それじゃ伝わらないけれど
言葉で伝えられたらどんなに良いか。
行動で示せたらどんなに良いんだろう。
それが出来ないんだよ。
先生に言われて、LINEすらも送れない。
手紙なんて論外だ。
また一緒に遊ぶことは不可能なのだろうか。
一度だけ話すチャンスがあった。
特別教室の端の机で君は寝ていた。
寝ているからと、
帰ろうとしたら君は起き上がった。
私は逃げてしまった。バレてはいなかった。
今までの様な自然な会話など出来る筈がなかった、そもそも私なんかが話しかけて良いのか。
そんな資格なんて何処にもなかった
君がこの文章を読んだらどう思うのだろう。
やはり「違うよ。」「そんなこと思ってないよ。」
と言うのだろうか。
それとも、笑ってくれるのだろうか。
そんな自分に都合よく考えてしまう私はやはり甘ったれている。
いつも、そうやって君に無理ばかりさせていたのだろう。
本当にごめんなさい。
これ以外の反省の言葉は思いつかない。
もう何を言っても言い訳になってしまうだろう。
そしてもう一つ上謝らなければいけないこと_
ずっと前から好きでした。
そんなこという資格なんてないけど
梅雨_
湿気や虫など嫌う方も多いのではないだろうか?
しかし、私は梅雨が好きだ。
雨の音を聞くと心が安らぐ。
ポツン?ザアザア?
文字で表すのは難しい、そんな天然の音は心地よい
普通に生活をしていると嫌でも音は聞こえてくる
電車、信号、話し声、足音…書き出したらきりがない。というより自分でも知らぬ間に聞いてるという音もある筈だ。
そしてその殆どが人工の音(人によって出される音、〃作られた物による音、〃故意に流されている音)などである。
人工の音は少し苦手だ。
聞きながらぼーっとするとどうしても良い事とともに嫌な事も多く考えてしまう。
雨はずっと昔からある。
何千年前…そのもっともっと前からある。
人が居ない所でも雨は降る(一部地域を除いて)そして雨音は聞こえる。
天然の音は人の力など要らないから、音に集中している間はくだらない人間関係なんて忘れていられるんだ。
心を無にしたり、好きな事だけを考えていたりする事ができる
それが私が雨を好きな理由の一つ。
勿論それだけではない。
普段よりも少し暗くて、でも決してマイナスではなくて道や葉っぱはきらきらしていて。
とても美しい
他に天然の音は何があるんだ?
砂、海、風、木…知らないだけでもっと沢山あるのだろう。
少し話は逸れたが梅雨…私は君を楽しみたい。
そして、偏頭痛…私は君を許さない。