これは失恋の物語。
はじまりは、星が輝くレストランにて。_
「今までありがとね。」
ファミレスの片隅。
大きめの窓の外を見つめ、私は呟く。
日が落ちてもう随分経ったからか、家族連れは居なく、寂しい雰囲気の地元にあるファミレス。
今日は星がよく輝いているからかあまり暗くない。
ここは私と君の行きつけだった。
君は居ない。
薄々気づいていたよ。
認めたく無かっただけなんだ。
このファミレスには家族連れどころか
私以外は人っ子1人来ない。
だってここは…、
現実から逃げるように、
何かを探すように閉じていた目を開く。
ボロボロの窓の外を見つめ、私は涙を流す。
止まった時計では時間はわからない、もう人なんて忘れてそうな机や椅子、寂しい雰囲気の近所にある廃墟のショッピングセンター、フードコート。
今日は満月だから星は見えない。
ここは私の、私と君の行きつけだった。
もう来ることはないだろう
輝く満月が君を連想させる。
満月のように明るい君とまた共に話したい、
星を眺めて語りたい。
だけれど君の正体を知ってしまった私は、
君と心から語り合って、楽しんで、なんて
もう絶対に『無理』なのである。
君はここは、全部私の想像なのだから。
4年間仲良くしてくれた君にここにサヨナラをして
今日から私は現実と向き合っていく、
「絶対帰って来ないからな!」
6/3/2022, 11:20:33 AM