チャレンジ46(きらめき)
海のきらめき、風にそよぐ若葉のきらめき、熱戦をしているアスリートの躍動。美しいものである。しかし、猛暑で流す汗は、きらめいても美しく感じない。
その昔、営業は足で稼げ、と言われた。得意先に足しげく通い、熱意を示して仕事をせよ。流した汗が報われる。真摯な姿勢が伝わる。きらめく汗の価値を信じることができた時代だ。働き方が多様になった今は、流した汗だけでなく、実績が重視される。汗のきらめきが疎ましく思えるのも、時代の流れかもしれない。
チャレンジ45(些細なことでも)
些細なことにこだわるのは、褒められる場合と、嫌われる場合がある。オフィスの机を整理整頓し、細かい所まで拭き掃除する人は、よく気がつく人として評価されるだろう。一方で、同僚の書類の誤字を正して叱責するような場合は、細かすぎる人間と言われる。些細なことでも、人間性の違いが現れる。
結局は、周りの人との関係を円滑にできるかが大切なようである。
チャレンジ44(心の灯火)
ロールレタリングという心理療法がある。ひとり二役で、手紙のやり取りをする。まず、なにがあっても私を励ましてくれる相手に宛てて手紙を書く。愚痴でも悩み相談でもよい。自責の念や、怒りや悲しみを表しても構わない。次に、手紙の返事を書く。決して私を否定しない相手である。私の気持ちに寄り添い、励まし、解決への糸口になる言葉が出てくる。自分の手で、自分自身を勇気づける。2通の手紙を書き終えると、スッキリした気持ちになっている。
心が暗闇にある時、光になるのは、自らを励ます勇気である。自分にかけた言葉は、消えない灯火になる。
チャレンジ43(開けないLINE)
私は基本的に、届いたメッセージには目を通すことにしている。知人とケンカしていることも、今のところない。だから、開けないメッセージはない。ただ、返事を書く際に気を遣う相手は何人かいる。言葉を選び、考えながら文面を作る。メッセージアプリでも、手紙でも、相手を思いやる姿勢は大切にしたい。
今回の課題は、どんな主旨なのだろうか。別れた恋人から来た文面を読まずにいる、削除しないでいる。美しい恋愛小説のような内容を期待されているのだろうか。
私が最初に思い浮かんだのは、詐欺などの、開いてはいけないメッセージについてだった。夢がない。
チャレンジ42(不完全な僕)
子供が生まれた時、手のひらサイズの人形を頂いた。柔らかな生地でできた、クマのぬいぐるみである。胴体にはビーズクッションのような粒が入っている。赤ん坊にも持ちやすい。さて、この人形を見た私の祖父が一言。
おい、腹減ってないか?
ビーズの粒が控えめで、人形の腹がへこんでいる。腹ペコに見えたらしい。戦後の食糧難を生きた祖父には、食べたい物を心ゆくまで食べられることが大切だったのだ。
あの人形、じいちゃんにあげたら良かったな。話し相手になったかもしれない。
ちなみに、家内は当時、腹減ってないか? に対し、赤ちゃんには、ちゃんとミルクあげてます、と答えていた。あたしもまだ若かったわね、と笑っている。