チャレンジ16(鐘の音)
8月には、日本各地で鐘が響く。平和を祈念する鐘である。戦後79年になる今年、戦争を知る方々は少なくなっている。ウクライナやパレスチナの情勢は、ますます混迷を深めている。
戦争の犠牲を、これ以上増やさないために。夏空に響く鐘の音とともに、今年も祈る。祈ることしかできないが、それが最も大切だと思うから。
長崎の鐘という曲を聞くと、涙がこみ上げる。この歌に恥じない生き方をしたい。
チャレンジ15(つまらないことでも)
つまらないことでも聞いてくれる相手は、よほど心の広い人である。たとえば、
いやあ、今朝、寝起きに、ふくらはぎが突然つっちゃってさ、痛くて参ったよ。
という話をして、
俺も、寝る前に湿布を貼らないと朝が大変でさ。と返してくれる人は、話を聞く忍耐と心の広さがある。家族でもない限り、他人の些細な変化に気をとめる人は多くないだろうから。
こんな取るにたりない文章で、良いのだろうか。つまらないことでも読んで頂けたことに感謝いたします。
チャレンジ14(目が覚める前に)
意識不明の患者が回復するために、いくつかのリハビリがある。手のひらにドライアイスと温かいタオルを交互に置く。唇に少しの食べ物を乗せてみる。家族の声に反応するか。手や足を動かせるか。まばたきができるか。それぞれの段階によって、刺激の与えかたが変わってくる。再び目が覚めるまで、長い闘いが続く。わずかでも、反応があることを信じて。
チャレンジ13(病室)
向かい側の病室から、今夜も嗚咽が聞こえる
おかあさん、おかあさん
ふりしぼるような声で、母の名を呼ぶ
あなたの苦しさを、私は
分かち合うわけにいかない もどかしいけれど
おかあさんに、夢で会えることを願う
空が白んできた
また、新しい朝が来る
チャレンジ12(明日、もし晴れたら)
明日、もし晴れたら星が見えるだろう
君は視力が良くて、星を探すのが得意だ
一緒に夜空を眺めるのが楽しみだ
明日晴れたら、ファミレスに行こう
君の好きなパスタを頼んで
ケーキセットも注文しよう
君の幸せそうな食べっぷりが、大好きだ
怒らないでね
ありふれた日常に、ありがとう
これからも、よろしくお願いします