精神科医「つまり〇〇ってことでしょ?」
相談者「ええ、まあ、はい、そうです。分かりました。ありがとうございました。(あっ、この人ダメだ、なにも分かってない)」
抑揚のない声で礼を言う。早々に話を切り上げたかった。
精神科の仕事は解決策を明示することではない。
また会って話したいなと思ってもらうことだ。
題『言い出せなかった「」』
何気ない毎日。明日がくると信じて疑わない人達。体重計に乗る時、テレビを見る時、そして入浴して寝る時。唐突に日常が終わりを告げる予感がする。
私がいなくなったらsecret love は永遠に見つけてもらえない。だから愛情は隠したくない。明日が来るとは限らないから。
題『secret love』
気になったタイトルや表紙の本を手に取る。目立つ場所に置かれていたからであり、特にジャンルに拘りはない。パラパラと数ページめくり、躓くような文体でないか確認する。読んでいて苦痛なものは避けたい。この点でいうと電子書籍よりもスムーズなため有難い。
ページをめくる事は、点滴を一滴ずつ身体に浸透させるような行為だ。すぐには効果は出ないが癒してくれる。そして自分のことを少しだけ好きになれる。
題『ページをめくる』
鯰(なまず)みたいにボーッと日々を過ごすだけだった。今年は猛暑だったから。わざわざ探しに行かなくても、大切なものなら何処だって思い出せるさ。その時がきたらね。
題『夏の忘れ物を探しに』
随分とピンポイントだね。顔も名前も知らない誰かのプライベートの話って面白いかな?
そうだね、夕食として餃子を1個、ナンプラーとマヨネーズをかけて食べたよ。付属のタレもあったけど、1個だけなら勿体ないから。家族しか証人はいないから、信じてもらうしかないけど。これで大丈夫?とにかく「8月31日、午後5時」に僕は現場にいなかった。
題『8月31日、午後5時』