6/17/2025, 4:04:06 AM
まったく人の記憶は当てにならない。昨日の食事も思い出せないなんて。
ああ、そうだ。
”アボガド” と ”アルダンテのペペロンチーノ”だ。
いやはや思い出せてよかった。
題『記憶の地図』
6/16/2025, 6:24:14 AM
鼻が詰まって香りがしない。季節外れの花粉のせいだ。木製のテーブルの上にはマグカップがあり、黒い液体が入っている。誰かが淹れてくれたのだろうか。椅子に座って眺めてみる。これはブラックコーヒー?イカ墨なんじゃない?飲んでみないと分からない。軽く一口飲むと甘い味が口の中に広がった。ココアだ。
題『マグカップ』
6/14/2025, 7:13:03 PM
もしも君が私を見たら喜ぶかもしれない。
わたしは「5秒のCM」だ。
題『もしも君が』
6/14/2025, 1:09:36 AM
「チリンチリン」
鈴の音が聞こえる。近くの山道をマウンテンバイクが走っていた。おもわず身がこごまる。電気ショックの夢が駆け抜けた。
(チリンチリン)
ほれ幻聴の鈴鳴りぞ。
体毛を貫く吹雪の夜、我が子の餌が欲しかった。ぐうぐうと無言のメロディが私だけに聞こえていた。
題『君だけのメロディ』
6/12/2025, 7:37:53 PM
暖かみを帯びた風は唄い手のように伸びやかで心地よかった。久々に見た彼女はすこし大人びていた。以前は見向きもされなかったが、手を振ると彼女の黒瞳が包囲磁石のようにピタリとこちらを向いた。身体を揺らせば、それに合わせてクルクル、クルクル、狂い舞。猫撫で声でトロンとした目つきとなる。私はエネコログサ。別名ねこじゃらし。
題『I love』