暖かみを帯びた風は唄い手のように伸びやかで心地よかった。久々に見た彼女はすこし大人びていた。以前は見向きもされなかったが、手を振ると彼女の黒瞳が包囲磁石のようにピタリとこちらを向いた。身体を揺らせば、それに合わせてクルクル、クルクル、狂い舞。猫撫で声でトロンとした目つきとなる。私はエネコログサ。別名ねこじゃらし。題『I love』
6/12/2025, 7:37:53 PM