光散翼
白き夜に包まれ
時に魅せられ
独りだけの足跡・・・
黒き朝に抱かれ
夢を描く刹那
孤に纏うは世界・・・
探し続ける
貴女の面影を
映した硝子
堕り砕け散る
響き続けた不協音・・・
破片を集め
私の雫で繋ぎ
創るは想い
掌に刻まれ
私に突き刺す
拡げる願い
「此の硝朱翼で・・・」
天に羽ばたかせ
散り舞う破片
光と輝きながら
導きの差す彼方
雲の上迄高く
貴女を探す為に
翼が砕け堕ちる迄
何時か・・・
私が朽ち果てる迄
貴女を・・・
Herstellung von Glas
紅黒い焔を纏い
在るべき器に
私の値を堕とし
満ち溢れてく迄
息を殺め静に
刻が動き始めめ
幾千 流醒
覚像 幾憶
入れ替わりとの
分裂する自表裏
凍て付かせの瞳
瞼は開き始めて
「哭クシタ 記憶ガ 廻ル…」
高揚の喜びと哀しみ
交差した十字の死絲
快楽との破滅に
創造の痛みの慈しみ
回廊する思考の意図
美しみの残華は
「誰ガ望ンダノ…?」
終焉の楔
張り積めた
神経が割れ
私は歪み出し
震える聲は
塵と換わり
傷みが疼くは
「時の定めに囚われ・・・」
瞳の奥映す
私の眼光が
哀しげに濁り
渦巻く流れ
呑まれ混む
虚像の灯火は
「仕組まれてく秩序・・・」
嘲笑う聲は
存在理由を壊し
比例始めた
私の意図を崩し
残酷に深く堕ちる・・・
我を 自我を
思考を 器を
喪う定めならば
せめて 堕ちた
雫で・・・ 私を・・・
四方十字
透明な音色
静寂に中に鳴り
鼓動に射さる
冷たさの響
触れられずに只
跪き雫と戯れ
「私ノ価値ヲ 問イ掛ケタ・・」
拒絶に耐えては
傷みは疼き
呑み込まれては
刻んだ聲に
醒めない世界
善悪の領域で
佇み視つめ
廃と化す空間
生死の境界で
深く堕ちて
張り巡らされた
此の匣の籠
私が 「今縛バラレテル・・・」
望ンダ・・・
親愛
幾度 その言葉に
縛られて
幾度 涙流したの…?
幾度 その吐息に
魅せられ
幾度 心が泣いた…?
記憶の破片に
一つ二つ 刻まれた
「愛してる」の傷み
締め付けられる…
偽りなら もう触れ無いで…
偽善の言葉が 切なくて…
偽りなら もう言わないで…
偽善に満ちた 哀しみを…
私が欲しいのは
真実の言葉…
求める故に
辛くなる…