#世界の終わりに君と
#6話
「バッドエンドって好き?」
「…」
ファンタジーでは最後に世界が滅びたりするよね。
ファンタジーだからってそんな、
奇想天外なこと信じられるのだろうか。
受け入れられるのだろうか。
私は、無理かもしれない。
毎日、一生懸命生きていたのに
全てが無駄になって死ぬだなんて。
明日が当たり前にくると思っていたのに、
死ぬだなんて。
でも、君が世界が終わることで
幸せになれるのなら。
…ああ、そういうことか。
「君が好きなら」
#最悪
#5話
「お前のことなんて好きじゃねーから!照」
そんなことを言ってくる男の子がいた。
その時の私はわかってた。
(あ、この子私のこと好きだな)と。
その子はまあまあかっこいいし、
頭もいいからこんなことをしなかったら、
モテるのになと思っていた。
でも、しばらくしても天邪鬼なまんま。
もういいやと告白してしまった。
我慢の限界だった。
「は、なにお前」
あ、やらかした。
「俺がお前を好きなわけないやん」
ああ、最悪だ。
#「ごめんね」
#4話
素直に謝られる子って尊敬する。
私は、あまり謝られないから。
「ごめんね」
って言いたいんだけど。
#天国と地獄
#3話
天国と地獄は、三角形△らしい。
天国に行く人が少なくて
地獄に行く人が多い。
これを聞いてああいやだなと思った。
でも、おじいちゃんは違う解釈をしてた。
「それ、逆三角形▽なんじゃない?」
そんな風に考えた方が
これから楽しいんじゃない?
と続いて言った。
地獄に行く人が少なくて、
天国に行く人は多い。
そう考えると、息をするのが
楽になった気がした。
みんなも楽しく生きてね!
#月に願いを
#2話
「今日も月が綺麗ですね」
いきなり、そう言われた。
彼に言われると、
とても嬉しい気持ちと同時に、
切ない気持ちになった。
何故なら、私は、もう長くはないからだ。
…私みたいな奴にそんなこと、
言ってもしょうがないじゃないの。
“愛してる”なんて。
…なんで。
「私は貴方のことが嫌いよ」
彼がこれからの人生で
幸せに生きて欲しいと願った。