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6/6/2023, 8:38:10 AM

昨日の書けなかったお題と。



墓場まで持っていこうと決めた事がある
友人にも、恋人にも、親や兄弟にも誰にも話さないと決めた事
たとえ他人からは大したことないと言われるような事だとしても関係ない 言えないんだ

だからごめんね
どんなに君が僕を愛してくれたとしても
その愛を僕も全力で受け止めて君に返したとしても、
きっと僕は君にも誰にも打ち明けることなく秘密を抱えたまま死を迎える事になる

それでも君は僕の傍に居てくれますか?
それでも君は僕を……

愛してくれますか?

『誰にも言えない秘密』#11




あの頃より広い部屋で貴方と居られる今よりも
あの狭い部屋で身を寄せあい、夢を語る貴方の話を聞いているのが好きだった

ごめんなさい
今も貴方の事がとても好きなのに、
どうしてかな?貴方との距離を感じてとても寂しいの


『狭い部屋』#10

6/4/2023, 6:15:06 AM

歳の差も周りの目も私には関係なかった
隣に居られるのなら、それだけで幸せだった

貴方が私にくれた最初で最後のプレゼントは未だ捨てれず、
今夜も独りで頬を濡らすわ


『失恋』#9

6/3/2023, 10:00:42 AM

正直諦めていた。貴方はとうの昔に忘れていると思っていた。
小さい頃に約束した、大きくなったら真っ赤な薔薇の花束を持ってプロポーズして。と言った私の言葉を。
必ず迎えに行くよ。と笑顔で言ってくれた事を忘れた日はなかった。
だけど大人になり年齢を重ね、可能性も段々と薄れ、諦めるしかない。そう思った。
だけど、

「約束通り迎えに来たよ、俺と結婚してくれ」
膝をついて両手で抱えるのが大変なくらいの真っ赤な薔薇の花束を差し出して
「遅くなってごめんな」
そう困った顔で謝る貴方に、私は薔薇の花束ごと抱きついた。


ありがとう、覚えていてくれて。



『正直』#8

6/2/2023, 9:11:46 AM

・短めver.・

この季節になると僕はいつも
紫陽花がよく似合う貴女を思い出す



・長めver.・

雨がしとしと降っている。
この時季、雨が続くのは仕方ないとはいえ毎日毎日雨ばかりだと気分は少し憂鬱になってくる。
そんな憂鬱気分で帰路につく途中、傘も差さず空を見上げながら雨に濡れる一人の女性を目にし、思わず僕は
「風邪ひきますよ」
そう声をかけて差していた傘を女性に差し出した。

女性は一瞬驚いた表情を見せたがすぐに穏やかな笑顔へと変わり、そして空へと視線を移す。
「私、雨が好きなの」
「そうですか……僕は雨苦手です。今も少し頭が痛くて」
そう言いながら僕もまた視線を空へと向ける。
降り止む気配のない雨に気分は下がる一方だ。

「それは大変ね」
「いえ、いつもの事なので」
「じゃあ……今度は私が」
ありがとう、そう笑った彼女の頬には見慣れた絆創膏。
確かあれは数日前に妹から貰った絆創膏と同じ柄だ。あれ?僕はその絆創膏をどうしたんだっけ?
思考をグルグルと巡らせていると女性に抱きつかれ、驚きに僕の頭は真っ白になり、
何も考えられなくなって力の抜けた手からは傘が離れ、地面へと落ちていった。

「もう一度貴方に会えて良かった」
本当にありがとう。そう言ったのが最後だった。
気付けば彼女の姿はなく、いつしか雨は止み、雲の隙間から日差しが見えている。
そして彼女の居た背後には雨に濡れた色とりどりの紫陽花が咲き誇っておりその中で一つ、見慣れた絆創膏が巻かれていたのだった……


嗚呼、そうか。
僕はその絆創膏を貴女の為に、


『梅雨』#7

6/1/2023, 9:59:32 AM

今日は酷い雨の日だ。外に出るのも憂鬱になるだろう。だけどさ、

雨降ってて出たくなかったの。食べる物買ってきてくれてありがとう。 良いよ。
ずぶ濡れになったね、お湯ためたからお風呂入ってきたら? ありがとう。
洗濯物乾かなくて大変。 分かるよ。
明日は晴れるかな? ……ちょっと待って、

数回の会話のラリー後、なに怒ってるの?と僕を見ている彼女。
僕はすぐさま彼女の手元へと目線を向けながら指をさした。その僕の行動に察した彼女は困り顔に。

「それ、僕が風呂上がりに食べようと思ったプリンだよね?」
「……ごめんね、誘惑に負けちゃって」
晴れたらちゃんと買いに行くからねと話す彼女。
僕は買ってもらえるプリンが嬉しくて彼女にありがとうと伝え、お風呂へと向かった。



『天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいのは、』#6

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