『あなたに届けたい』
数日前に、小粒のシークァーサーを沢山いただいた。
ドリンクに絞るだけの使い道ではもったいないと思いつつ、どうしようか考えあぐねて冷蔵庫に眠らせていたのだけど、昨日、砂糖漬けにしてみた。どんな状態になっているかの確認がこれからだから、少しドキドキしている。
もしも良い感じに漬かっていたら、彼とのおやつに持っていこうか。
「美味しかった」だとしても、「あんまり合わなかったね」だとしても、貴方と共有したいから。
『I love…』
私は超能力者じゃない。
相手が何を考えてるかなんて分からないし、相手の態度や表情から察したとしても、的を射る時もあれば、的外れな時もあるだろう。
同じように、私の気持ちも、間違えることなく相手が察せられているなんて思ってない。
だから会う度に…何度でも何度でも貴方に言うよ。
「愛してる」
「大好き」
100%の気持ちを乗せて。
決して、貴方からの一方通行じゃないんだと、伝わるように。
『街へ』
この春、引越しをする。
管理会社への連絡やら、電気や水道の契約やら、部屋の片付けやら…やらなきゃいけないことは沢山あるし、自他ともに認める面倒くさがりで、まだ何にも手に付けられてないけど…何とかやる気を捻り出して、動き始めよう。
愛しい貴方と、共に暮らすためだから。
病院の事務をしており、業務として電話対応もします。
新人時代、仕事中に認知症患者さんの電話に出て、丸2時間会話が終わらない…なんて事態がありました。
予約状況の確認など、本来5分程度の会話が延々に続き、切ろうにも「それで、私はどうすればいいんだっけ?」という形で質問が来るため、それに答えるとまた患者さんの話が最初に戻り…という堂々巡りの状態でした。声を荒らげられることはなかった為、ひたすらに、会話が途切れて「それでは失礼いたします」と言える隙を探していたのですが、いざ会話が途切れた時、患者さんから言われたんです。
「(おそらく時計を見て)わぁ…私、2時間も話してたんだね。こんなボケちゃってる人の話を根気強く聞いてくれてありがとうね。」
何となく、この2時間が報われたような気持ちでした。
電話中は仕事が進まなかったのも事実だし、先輩からは「早く切れるようにするのも会話術だよ」とたしなめられましたが、誰になんと言われようと、あの患者さんにとっては良い対応を取れたのかなと誇りに思い、1つ自信になった出来事だったのです。
あの患者さんは、私にとって間違いなく「優しい」患者さんでした。