病院の事務をしており、業務として電話対応もします。
新人時代、仕事中に認知症患者さんの電話に出て、丸2時間会話が終わらない…なんて事態がありました。
予約状況の確認など、本来5分程度の会話が延々に続き、切ろうにも「それで、私はどうすればいいんだっけ?」という形で質問が来るため、それに答えるとまた患者さんの話が最初に戻り…という堂々巡りの状態でした。声を荒らげられることはなかった為、ひたすらに、会話が途切れて「それでは失礼いたします」と言える隙を探していたのですが、いざ会話が途切れた時、患者さんから言われたんです。
「(おそらく時計を見て)わぁ…私、2時間も話してたんだね。こんなボケちゃってる人の話を根気強く聞いてくれてありがとうね。」
何となく、この2時間が報われたような気持ちでした。
電話中は仕事が進まなかったのも事実だし、先輩からは「早く切れるようにするのも会話術だよ」とたしなめられましたが、誰になんと言われようと、あの患者さんにとっては良い対応を取れたのかなと誇りに思い、1つ自信になった出来事だったのです。
あの患者さんは、私にとって間違いなく「優しい」患者さんでした。
1/27/2024, 12:52:59 PM