【理想のあなた】
わたしは一人しかいない。理想は幻想。ここは現実。この世界に理想の私はいない。
でも、あそこは死んで行ける様な単純な世界じゃ無い。私は一生理想の私になれない。
ずっと暗い部屋でうずくまってるだけ。それが私という人間。
だってしょうがないじゃない。理想の私はこんなところで生まれないし、こんな姿じゃないんだもの。
だから私は、この世界を必死に生きるだけ。
【突然の別れ】
海の上に、ぷかぷか浮いてる。あれはマンボウ。波に揺られて浮いている。鳥に突かれて、体が少し欠けている。
海の中を、ふわふわ漂っている。あれはマンボウ。流れる水に泳がされて、くるくると回っている。頭には、岩にぶつかったら跡がある。
海の端に、ばったり倒れている。あれはマンボウ。横たわった体に波が掛かる。ぐったりとして、動かない。
そして、私はマンボウ。泳いでいる。視界の隅に、大きな魚。私もじきに、サメの餌。
【恋物語】
焦っては泣いて、弱虫毛虫。
ココに僕の居場所は無くて、ココロがギュッと閉まった。
だって僕にスーパースーツなんて無いし、どうせ何も出来ないし。
僕もカッコよくなりたいけれど、運動ができるワケでも無いし、髪の毛だってボサボサ。
だって僕は小さな子供。オトナの恋なんて知らない。
あの人皆んなに優しいし。
僕は不完全少年。
【真夜中】
雨。轟々と降り、明日ファルトの匂いがする。
空。真っ暗な紙の上に、藍色を乗せた酔う。
街。被毒輝く明かりは、人々の営み。
星。見栄たらいいな。
【愛があれば何でもできる?】
そう思いたい。けど、そうじゃない。限界ってものがある。だって人間だもの。
けれども、愛があればその限界は大きく伸びる。だって愛してるもの。
僕達は、不思議な生き物だ。「何でも出来る」なんて無いはずなのに、「何でも出来る」と思ってしまう。
そんなこんなも愛の所為。
でも、「今」がこんなに楽しいのも愛のおかげ。