「好きな色」
私の好きな色は
私には似合わない色
いつしか身にまとう色が
「好きな色」になった
白、黒、紺、グレーを身にまとえば
間違いない気がして
無難に過ごした
これからもそう
手にした空色のワンピースを
「素敵な色ですよね」
と空色が似合いそうな店員が言う
「そうですね」
と言いながら
色違いの黒を手に取る
「そちらもよくお似合いですね」
と言われたけど
鏡の私は悲しそうに笑う
クローゼットをまた黒が埋める
私は冒険しない
好きな色は着ない
「あなたがいたから」
恋をした
生きるのが辛くなくなった
あなたがくれた愛しい時間は
あなたがいなくても
まだ
私の中で輝いて
辛いけど私が死んだら
あなたと過ごした愛しい時間さえ
消えてしまうから
まだ生きてます
心配しないで
だからあなたも幸せでいてください
「落下」
私の手を掴もうとして
あなたが落ちなくてよかった
あなたの顔が今まで見たことない顔で
こんなさよならかと
走馬灯なんかなくて
ただあなただけを思いながら
ごめんね、ごめんなさい、ごめんなさい
あなたの目の前で
落ちてしまって
ごめんなさい
「未来」
朝日は明るく
夕日は暗く感じる
何も知らない私と
1日の半分を過ごした私の差、かな
ねえ!
まだ半分しか過ごしてないよ!
私よ!未来を決めるな!
その瞳と負けん気で夜を照らせ!
まだ来てやしない未来を語るな!
明日を語るな!
動け!走れ!消去法で生きるな!!
頼む!
負けるな〜!!
好きな本
本当の私は内向的
自虐的
偏愛的
そんな私をぐっとこらえて
世間様からなんとか浮かないように
平凡的
平和的
平均的な私を目指す
好きな本はなんですか?
私はミステリーとか
災害や怪物に立ち向かう話も好き
誰かを純粋に愛して死ぬ物語も好き
自分嫌いの主人公が
自分を超える物語が好き
さあ、あなたの私への見方は変わりましたか?
もしまだ
私をその優しい目で見てくれるなら
私も知りたい
あなたの本当に好きな本
あなたの世界を私も知りたい