圧倒的にペンギン

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6/25/2023, 10:45:41 PM

「さてと、これで全部か」
最後のひと仕事を終えた私は爽快な気分に浸っていた。
私は庭師であり、他人の家に勝手に侵入してはボランティアをしている。
仕事内容はきれいな花をひたすら引っこ抜くことだ。
なぜこんなことをしているのかというと、仕事が終わったあとに見られる、家主が帰って来た時の驚愕の表情がたまらないからだ。
「さて今度はどんな表情をみせてくれますかな」
腰を抜かすか、はたまた感動のあまり泣き出すか。
花を大切に育てているような人は繊細な場合が多いので反応が面白い。
ちなみにこの家に侵入するのは1年ぶり4回目だ。
「ここもそろそろ飽きてきたから今年で最後にするか、あれ?」
私は足に違和感を感じたがもう遅かった。
庭に埋まっていた地雷を踏み抜いてしまったのだ。
薄れゆく意識の中で私は思った。
どうせ庭ごと吹き飛ばされるのなら苦労して引っこ抜いた意味はなかったなと。
繊細な人は怖い

6/25/2023, 10:06:49 AM

「ふーここが一年後の世界か。普通だな。ん?」
そこには薄汚れた吐き気のするような底辺下民がいた。
「何だこいつは気持ち悪いな。反吐が出る。顔も悪いし頭も悪そうだ」
しかしその下民は実は未来の自分だったのである。
下民は言った「お前がちゃんと努力しなかったから俺は苦労してるんだ。責任を取って死ね」
下民はナイフを私の腹部に突き立てた。
わけも分からず私は死んだ。
しかし過去の自分を殺したので下民も消え去ってしまった。
下民の最後の言葉「しまった!」