圧倒的にペンギン

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「さてと、これで全部か」
最後のひと仕事を終えた私は爽快な気分に浸っていた。
私は庭師であり、他人の家に勝手に侵入してはボランティアをしている。
仕事内容はきれいな花をひたすら引っこ抜くことだ。
なぜこんなことをしているのかというと、仕事が終わったあとに見られる、家主が帰って来た時の驚愕の表情がたまらないからだ。
「さて今度はどんな表情をみせてくれますかな」
腰を抜かすか、はたまた感動のあまり泣き出すか。
花を大切に育てているような人は繊細な場合が多いので反応が面白い。
ちなみにこの家に侵入するのは1年ぶり4回目だ。
「ここもそろそろ飽きてきたから今年で最後にするか、あれ?」
私は足に違和感を感じたがもう遅かった。
庭に埋まっていた地雷を踏み抜いてしまったのだ。
薄れゆく意識の中で私は思った。
どうせ庭ごと吹き飛ばされるのなら苦労して引っこ抜いた意味はなかったなと。
繊細な人は怖い

6/25/2023, 10:45:41 PM