たま〜に見る、空に浮かぶ虹色のアーチ
いつもだったら「あ、きれい」で、終わってるはずなのに
君とみた虹は、いつもよりも綺麗で、キラキラしていて、神秘的なものだった
今でもあの虹を思い出す
君とみた虹は、君がいなくても、ずっと覚えてるから
ひそかに想っていたんだ
君にも、親にも、言えないけど
心の奥で、誰にも言わず、ずっと静かに抱えていたんだ
本当にごめん、でももう最後だから、伝えるよ
君と今まで付き合ってきた
大学一年生で一目惚れして、そこから五年だよ
もう、社会人だ
そんな君とはもう終わり
ごめんね、君と付き合ってきたのは
君のお姉さんが、好きだったからなんだよ
広いリビングに、乾いた音が響き渡った
今日は、海に手紙を流してみた
環境的には良くないんだろうけど、本とか、アニメとかで、海に手紙を流すところを見て、差し出し人になりたくなった
宛先は、どこか
宛名は、だれか
差出人も、だれか
何にもわからない手紙
なにを書こうか悩んだけど、別に私に戻ってくるわけでもないし、私の人生について書いた
顔の見えない、どこかの誰かが、私の人生を読んで、なにを思うのだろうか
私の人生への思いを、考えを読んで、なにを思うのだろうか
透明な波が足に寄っては戻る
私は手に持っていた瓶をそっと、波に入れる
海へと戻る波に運ばれて、瓶が離れてゆく
どこに着くのか、誰が読むのか、もしかしたら、誰も読まないかもしれないし、海の塵となって消えてゆくかもしれない
私の手紙の結末は、誰も知らない
波に揺られて、運命に身を任せ、どこかの目的地に向かって少しづつ進んでいく
私の人生も、そんなものなのかな
瓶が向かう水平線の向こうを眺めながら、希望を感じた
誰よりも嫌いとか
誰よりも下に見てるとか
誰よりも馬鹿とか
誰よりも◯したいとか
「誰よりも」って、比べる対象がいるということ
目の前の相手がいること
それがどれほどしあわせなのか、気づかずに、
目の前の相手を傷つける
自分も含めて、人というのは鈍感なんだと、思う
君を見つけて、心が躍って
君を見つめて、心が暴れて
君が微笑んで、心が跳ねて
多分私は、君に恋をしてる
告白をしようと思ったけど、喉が詰まって声が出せそうにないや
この気持ちを、そっと、穏やかに、優しく、伝えられたら、いいのにな
あるはずのない未来を思い描いて
誰も予想しない夢を想像して
夢見る私は、今日も君に恋をする