冬華(トウカ)

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今日は、海に手紙を流してみた
環境的には良くないんだろうけど、本とか、アニメとかで、海に手紙を流すところを見て、差し出し人になりたくなった
宛先は、どこか
宛名は、だれか
差出人も、だれか
何にもわからない手紙
なにを書こうか悩んだけど、別に私に戻ってくるわけでもないし、私の人生について書いた
顔の見えない、どこかの誰かが、私の人生を読んで、なにを思うのだろうか
私の人生への思いを、考えを読んで、なにを思うのだろうか

透明な波が足に寄っては戻る
私は手に持っていた瓶をそっと、波に入れる
海へと戻る波に運ばれて、瓶が離れてゆく

どこに着くのか、誰が読むのか、もしかしたら、誰も読まないかもしれないし、海の塵となって消えてゆくかもしれない
私の手紙の結末は、誰も知らない
波に揺られて、運命に身を任せ、どこかの目的地に向かって少しづつ進んでいく
私の人生も、そんなものなのかな
瓶が向かう水平線の向こうを眺めながら、希望を感じた

2/19/2025, 2:22:56 AM