喪失感
私の胸の中に、ぽっかりと穴が空いたかのような
何かが、私の普通から欠如しているような
そんな感覚
今まで感じたことのない、初めての感覚
これを、喪失感と言うのだろうか
あなたがいなくなって、私は何もできなくなった
あなたのために頑張った家事も、仕事も、美容も、
全部無駄に思えちゃって
あなたがいなくなったせいで、私は、
蝶のように、ひらりひらりと舞って、あなたとずっと踊りたい
ふわりふらり、綺麗な花畑の上を、華麗に舞う蝶のように
…それができたのなら、どれほど良かったのか
あなたはもう、白い羽を持って、空へ舞って行った
なぜ、私を置いて、花畑へ行ってしまったの…?
出会いの時を告げる、学校の正面玄関の大きな時計
青春の時を告げる、教室の黒板上の時計
別れの時を告げる、みんなの心の時計
それぞれがそれぞれの時を告げる、それぞれの時計を持っている
その時計の進み方は同じでも、色も形も表示形式も全く違う
それでも全部、素敵な時を告げる、素敵な時計
それぞれが歩む、自分の時間、それはそれは綺麗な時間だ
誇りを持って、胸を張って歩もう
星のきらめき
夜景のきらめき
太陽のきらめき
人々のきらめき
この世界は、いろんなきらめきが存在する
それらが、合わさり、溶け合い、混ざり合って、
もっと強いきらめきを放つ
僕も、そのきらめきの一人に、なれていたらいいな、なんて
くだらないね
『もう連絡しないで。私も連絡しないから。これで私達は終わり。ばいばい』
そう言って君の家を出て行った
君からのLINEは今も届き続けている
「ごめん」「俺が悪かった」「君だけを愛してる」
そんなLINEが何通も通知センターに溜まり、LINEの赤い数字を増やしていく
「…もう、知らないし。連絡も、とらないし。」
自分に言い聞かせるように呟く
でも、私も好きだった
そんな思いが、葛藤が、私の中で暴れ出す
それが、「ブロック」という手段に出ることを迷わせる
私のスマホには、いつまでも開けないLINEが、まだ残っている