空に輝く小さな光
ずっと変わらない光り方で、空に浮かんでる
その光が綺麗で
手を伸ばせば届きそうで
ぐっと、目一杯手を伸ばすけど
静寂を掴むだけで、その手のひらの中に、小さな光は無い
それがなぜか寂しくて、泣きそうになる
もう一度空を見上げる
そこには変わらず、小さな光が輝いている
ずっと変わらず、僕らを見ている
僕らの世界は、変わり続けていて、その変化に追いつくことが大変だというのに
何も変わらず、そこで見ている
この道の先に、何が広がっているのだろうか
どんな景色が待っているのだろうか
どんな人たちに出会えるのだろうか
僕たちが進むこの道は、幾つもの分かれ道があって
その度に悩み、どっちの道がいいか選択し、進む
楽そうな平坦な身に、歩きにくそうな砂利道、
険しい山道に、急な坂道
どんな選択であろうと、最後はみんな、「死」を持ってして、その歩みを止める
あまりにも大変な道だと、自らの手で「死」に至る可能性もある
そんな中で、僕らは生きている
途中で出会う、仲間たち
助け合い、支え合いながら進んで、どこかの分かれ道で別れを告げる
そして、また新しい人に出会うのだ
さぁ進もう
この道の先に、何が待っているのか
誰と関わるのか、どんな風景が待っているのか
少しの期待と、大きな不安の中、進む
高く高く、空高く
上を見上げれば空に伸びる、真っ白なわたあめ
あれが嵐を運んでくるなんて、最初は信じられなかった
今でもたまに疑うくらいだ
そんなだから、君を信じられなかったのかな
そんなだから、君は僕を捨てたのかな
空に浮かぶ、大きなわたあめ
それは僕に、嵐を運ぶ
まるで僕を、責め立てるように
夏は季節の中でも好きじゃない
蒸し暑いし、日差しは強いし、明るいし、寝苦しいし、汗が気持ち悪いし、虫もたくさんだし、蚊に刺されるし、
夏って好きになれない
楽しみなんて、探しても見つからない
…でも、
でも、君の誕生日があるから…恨めない
あーあ、ほんとに君のせいだからね、私が夏を嫌いになりきれないのは
…なによ
1年後、世界が終わると予知された
しかし、その預言者は、日本の、生活が豊かとはいえない、貧しい家の生まれだったため、世間は気にも留めなかった
しかし、そこから3ヶ月後、地下のプレートの動きがおかしくなっていると、地理学者たちの研究からわかった
人類は、世界の終わりだと、少しの間騒いだが、それもすぐに収まり、俳優の活動停止や、どこかの大統領選が始まるなどの話題ですぐに話題には上がらなくなった
しかし、その3ヶ月後、再び地理学者たちが、プレートの動きが速くなり、残り半年で世界はプレートに飲み込まれるのだと発表した
世界は混乱に陥った
嘘だ、と、現実から目を逸らす者や、最後にやりたいことを、と、職を捨て、金を全て使い果たす者、さらには、天国に行こうと、自殺をする者まで現れた。
また、この混乱に乗じて、犯罪が活発化し、さらに混乱の渦に巻き込まれていった
そしてあるとき、SNSで、ある少年の動画が拡散された
それは昔、世界が一年後に終わると予言した、男の子だった
「世界は終わらない、今プレートの動きが活発化しても、世界は滅びない。これから世界が終わるのは、我々人類の、今している行動のせいだ。いいか、死にたくないのであれば、従って欲しい。焦るな。今まで通りの生活を送ってくれ。そうすれば、世界が終わることはない。話は以上だ。これに従うかどうかは、あなたたち次第。」
それは瞬く間に世界に広がり、すべての国から、それに従うように言われた。
戦争はなくなり、小さないざこざがあっても、話し合いで解決する、優しい世界へとなりつつあった。
そして、6ヶ月後。一年後予言の予定日。
この時にはすでに、すべての陸地が日本の周りに集まり、日本は島ではなく、内陸になっていたのだ。
これから、地面がどんどんと地下に飲み込まれていき、最後には海だけになると予想されている。
その予想は、的中した。
雷のような地鳴りと共に、陸が飲み込まれていく。
しかし、人類は絶望するのではなく、後悔していた。
最後の半年、平和な世界。優しい世界。あんな世界で生きてこれたのなら。どれほど良かったのだろうか、と。
自分たちの争いは、とても無駄なことで、最初からみんなで協力していれば、どれほど幸せだったのだろう、と。
そんなおもいをもち、人類は、陸地と共に地球に飲み込まれていった。
預言者のいったことは、最後には嘘になったが、人類全員が、幸せだったと、感じることのできる嘘をついた。
そんな優しい人になれば、優しい世界になるのだろうか。
1年後、10年後、100年後。いつまで人類が生きているかはわからない。その時までに、みんなが幸せだと感じる、感じることのできる、優しい世界を、一度は見てみたいものだ。