君は怖がり。
小さな物音がたつと、「ひゃあ!」といって、驚いてしまう。
後ろから「ねぇ…」と声をかけながら肩に手を置くと、「うひゃう!」といって少しはねる。
お化け屋敷を見ると、それだけで少し震える。
ホラー映画のCMや、少しバイオレンスなドラマのCMを見るだけで、「ひぇ」といって、俺に寄り添ってくる。
夜のベッドで、抱きしめると、少し体をこわばせて、その後にゆるりと解ける。
不意に手を握ると、びくりと体を跳ねさせて、するりと手を絡めてくる。
あぁ、あぁあ。かわいい。かわいいなぁ。
ずっと一緒にいたい。そばでこの子を見ていたい。
君のその、高い驚いた声も。君のその、気持ちよさそうに喘ぐ、色っぽく艶やかな、高い声も。
ずっと聞いていたい。
あぁ、君を見るだけで、その声を聞くだけで、全身が、俺の心が、ゾクゾクするよ…♡
今夜の空は、星が綺麗だ。
君もみているのだろうか、この空を。
この、星が溢れる空を。
空の上から…
『君のその瞳』
『見つめられると、ほっとして』
『暖かい布団にくるまって、ぬくぬく、ほわほわしてる感じがする』
『そらされると、胸がざわざわする』
『何だか、自分の好きなものが、なくなってしまって、日常から消えてしまったみたい』
『君の瞳は、落ち着いていて、暖かくて、優しくて、柔らかい』
『そんな、安らかな瞳』
『その瞳で、私をずっと、見つめていてね…』
彼女が日頃からいっていた言葉を、彼女が死ぬ時にも聞くとは思わなかった。
でも、俺は心に決めた。いや、決まっていた。
彼女を、彼女だけを、見つめ続けると。
君の隣で、ずっと笑っていたい
君の隣で、いつでも微笑んでいたい
君の隣で、涙を流したい
君の隣で、怒りたい
君の隣で、いじけていたい
君の隣で、愛を確かめ合っていたい
これを思うのは、我儘?
それとも、仕方のないこと?
これは、君が決めてね
ずっと隣に居られなくても、君が笑えば、私は幸せだから
もっと、知りたい
君のことを、知りたい
今考えてること、
今いる場所、
今思ったこと、
今やってること、
今一緒にいる人、
全部、全部全部全部、知りたい
こう思って、君に話しかける
この行為や、考えのことを、世間では、
「すとーかー」?とかいうんだってね
まぁ、悪いことじゃないよね
好きな人を知りたいのは、この世の全ての人が、
おんなじなんだからさ