冬華(トウカ)

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『君のその瞳』

『見つめられると、ほっとして』
『暖かい布団にくるまって、ぬくぬく、ほわほわしてる感じがする』

『そらされると、胸がざわざわする』
『何だか、自分の好きなものが、なくなってしまって、日常から消えてしまったみたい』

『君の瞳は、落ち着いていて、暖かくて、優しくて、柔らかい』

『そんな、安らかな瞳』

『その瞳で、私をずっと、見つめていてね…』

彼女が日頃からいっていた言葉を、彼女が死ぬ時にも聞くとは思わなかった。

でも、俺は心に決めた。いや、決まっていた。

彼女を、彼女だけを、見つめ続けると。

3/14/2024, 10:18:19 AM