╭⋟────────╮
君が隠した鍵
╰──────⋞╯
────チャリン!
金属音が静かな部屋に響く
それを聞いた男は「はぁ…」とため息をつきながら腰をかがめ、ワックスで鈍く光る木のフローリングに手を伸ばし、床に転がる‘それ’を拾った。
男はそれを手で弄びながらさっきまで座っていた椅子にまた腰掛け、なにやら考え事を始めた
眉はぎゅっと集まり、眉間にシワを作っている。
元の位置に戻されたそれの近くには芯が出されたシャープペンシルと冷めたコーヒー、それから真っ白けの手帳が開きっぱなしで置かれていた
窓からの光を観葉植物が微かに遮り、ゆらんとした影を部屋全体に映し出す
その手帳をよくよく見ると、文字を消した跡がうっすらと浮かび上がってくる
『この鍵はどこの鍵なのか?』
男はまだ、眉間にシワを寄せたままだった。
コーヒーが冷めないうちに
あなたと語り合って
コーヒーが冷めないうちに
おいしいご飯を食べて
コーヒーが冷めないうちに
きれいな空を眺めて、
コーヒーが暖かいうちに
楽しい楽しい時間を、あなたと
【お題:パラレルワールド】
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ぼくは‘なんでも知ってる世界’からやってきた。
こっちではパラレルワールドと呼ばれているらしい
なんでも知っていてなんにも知らないぼくたちは、
新たな知識を求めてこっちに人を送り込んだんだ。
だけど…
だけど、この星の重力は小柄すぎるぼくには合わないらしい
うっかり気を抜くとふわ、ふわと風船のように舞い上がっていって、あっという間に目の前が水色まみれになってしまう
いまも、靴底がふわふわしている感覚がある
気を抜きすぎちゃった。
これじゃあ、なんにも調べられない…
けっこういい高さまで来てしまったし、周りに掴めそうなものは何もない
‘ぼくたちはなんでも知ってる’っていうくせに、こういうことはなんにも知らない
どうしたものかな
あれ、あんなところに女の子が。
なんでだろう、目が合うなぁ
ずっとこっちをみているのはどうしてだろう?
【お題:僕と一緒に】
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いつも泣いていた
いつも悲しそうだった
僕とすれ違うたびに悲壮な表情を見た
なぜ悲しそうなのだろう
なんで泣いてるんだろう
無邪気にそう思った
僕はなにも知らない
けど、気になった
いつもうれしかった
いつも笑顔だった
なにが起きても楽しい気分なんだ
すごく、すごく
嬉々とした僕とはセイハンタイ?なんだね
あ〜あ、僕と一緒にいればいいのに。
そしたらきっと雨に濡れたみたいな顔も無くなるのに
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うれしくなかった
ちっともハッピーじゃない
私に残るのはいつも怒哀だけ。
見るたびに喜楽が奪われていく
なんであんなふうになってしまったの?
私が…あんなことをしたから?
あんなとけた泥人形みたいなもの…一緒にいられる方がおかしい。一緒にいられる訳がない…!
【お題:ページをめくる】
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はじめまして
突然ですが、ページをめくる時ってどんな気持ちになります?
たとえば、ワクワク・ドキドキ・ハラハラ・しくしく・無感情あるいは渋々とか…
きっと他にもあるはず
私は、これこそが本を読む面白さの一つだと思うんです
ページをめくる動作は同じでも、そのページに紡がれている言葉によって読み手の心持やめくる動きが絶妙に変わる
そんな考えが頭をよぎった時、本って面白いなと感じました
脳死で書いたくだらない文です…おやすみなさい