空蝉

Open App
9/18/2024, 4:32:37 PM


夜景

夜の風景ってキラキラしてる。
夜更かしに一々わくわくするほど子供ではないが、
これから先、決して飽きることは無いだろう。
ベランダで煙草を吸いながらそんなことを考える。
けれど、大人になりきれない僕には、
14ミリのタールが重くて重くていっつもむせる。
まだ短くない煙草を灰皿に押し付けながら
遠いビル群の煌々とした光をぼーっと眺める。
こうして夜景を見ていると落ち着くと共に、
なにかこう、よく分からない形容し難い感情を抱く。
僕はもういい歳をした「大人」というものだと思うけど
この気持ちの名前をまだ知らない。
だけど、僕はいつも思う。

このまま夜にいれたらな

なんだか今日はやけに煙が目にしみるなぁ。
殆ど泣きそうになりながら僕は思った。


9/13/2024, 4:30:40 PM

嫌でも耳に入る明け方の新聞配達のバイクの音

重い体に反して変にはっきりとしている頭や

何故か飲めない薬と消えない目の下のくま

24個残して棚の奥に消えた30日分の睡眠導入剤

明らかに不足しているセロトニンとお金

憂鬱と共に明日を連れてくる朝日


夜明け前

9/10/2024, 3:11:42 PM



半年ぶりの散歩

高架下に漂う煙と煙草の匂い

あいつから貰うセッタ

ライターはガス切れ

仕方なく口元から奪う火種

クラクラする14ミリのタール

少し肌寒い帰り道

拭えない喪失感

とほんの少しの寂寞

夏が終わる






9/1/2024, 3:14:43 PM

開けないLINE


僕は弱いからいっつも逃げてばっかで
知りたくない、何も知りたくないから
君の最後の言葉からも逃げて
そうやってずっとずっと逃げて
この先も一生開くことの出来ない君のLINE
それなのにもう届かない君からのメッセージを
僕は何故か待ってる

8/30/2024, 3:59:03 PM




ふと香る貴方の香り

僕では無い誰かの残り香

お願いです何も告げないでください

これ以上踏み込まないから

何も聞かないから

傍に居させてください


Next