空蝉

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8/28/2024, 4:28:13 PM


あれ、驚いたな。
君が来るなんていつぶりだろう。
なんて考えていると君は待ちきれなかったのか
早く開けろと言わんばかりに扉をドンドン叩き始めた。
近所迷惑になりそうなので急いで扉を開けに行く。

「急だね。まぁいつものことだけど。」
「私が来ないと、寂しくて死んじゃうでしょ。」
「――あはは、そうだね。寂し死ぬとこだった。」

核心を突かれて一瞬ドキッとしたが笑って誤魔化す。
大丈夫だ、ちゃんと冗談ぽく笑えてる、はず。
自分の顔なんて見えないのだから分かるはずもないが。

彼女はこうして気まぐれに僕の部屋を訪れては
映画やアニメを見て帰っていく。

映画が始まりタオルケットに包まりながら視聴する。
よくある展開の恋愛映画だ。つまらない。

彼女の反応を見てみようと横を見る。
彼女は、――寝てしまったみたいだ。
随分経ったとはいえ前に1度告白した男の前で寝るよう
な無防備すぎる彼女が心配になると共に、彼女に異性と
して見られる事は一生無いんだと、今一度痛感する。

映画が終わり、彼女を起こす。
2人でお菓子を食べて、色々喋る。幸せな時間。
そして彼女は帰る。
「また来るね。」なんて言って。
でも僕にはわかる彼女が暫く来ないことが。
彼女は気まぐれだから僕の心をかき乱すだけかき乱して
僕の気持ちには答えてくれない。

今日も彼女が帰ったあとで深くため息をつく。
もう帰ってしまった。という気持ちと、
もう来なければいいのに。という気持ちが混在して
自分でもよく分からなくなる。

それでも数ヶ月経ち僕の頭から彼女が薄れ始めた頃、
またやってくる。「よっ、」なんて言って。

「急だね、いつもの事だけど。」
「そろそろ寂し死ぬとこかと思って。」

「―あはは、ほんとだよ。超寂しかったんだから。」




突然の君の訪問。


8/21/2024, 4:43:16 PM

鳥のように

あの子はいつも鳥になりたいって言うんだ
鳥のように自由に空を飛びたいって
こんな窮屈な世界で生きたくないって
だけどね、こんな世界でも自由に羽ばたけるって
僕は信じてるよ

8/20/2024, 12:34:41 PM




さよならの前の少し寂しげな君の顔が好きだった。

別れを切り出したのは僕からだった
君のことは好きだ、大好きだ。
多分この先もずっとずっと好きだと思う。
だけど君はそうじゃないから。
本当は別れたくない自分を鼓舞して、
最後くらいは自分で終わらせようと君に別れを告げた
見慣れない顔で「じゃあね。」
なんて言う君に悲しくなって気づけば呼び止めていた 「最後に抱きしめていいかな。」
そう言うと、君は黙って頷く。
「やっぱり君は優しいね。」
だけど、僕を引き止めてはくれないんだね。
お互いの最後の体温を感じ、僕達は暫くそうしていた。
「よし、それじゃあね。体調には気をつけて。」
僕は君とは反対方向の駅に向かって歩き出す。
後ろを振り返らないように早足で歩く。
視界の端で見えたいつもの君の寂しげな顔をこれ以上
見ないように。僕の気持ちが揺らがないうちに。


―――さよならを言う前に

7/28/2024, 4:37:58 PM

お祭り

両手で持ってたヨーヨーとかき氷を
君の方を見ながら右手に移す私と
プラプラしている私の左手と
全然気づいてくれない君

7/23/2024, 5:17:23 PM



花咲いて

夜空にぱっと花咲いて
僕は知る君への想いを
この届かぬ願いを





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