酔っ払うとよく尾崎の曲を歌ってた
顔真っ赤にしてライブの真似して
世代じゃないのに詳しくて
あんまり歌うからうつって口ずさんだら
嬉しそうに笑ってた
本当に愛おしかった
君が教えてくれた花の名前は 街にうもれそうな 小さな
勿忘草
君が見た夢
君がよく寝言で言ってる名前とか
幸せそうな顔して寝てたくせに急に苦しそうにしてるのとか
今にも泣き出しそうな顔でぼーっとしてる朝とか
優しすぎるところとか。
よく夢を見た。あの頃の夢。
夢の中であの子はいつだって僕より少し前にいる。
信号は点滅してて、あの子は言う。
「あ、信号ぽかぽかしてる。」
チカチカじゃないのか、
と僕が言う前にあの子は走り出す。
場面は変わり、僕達は中学生。
少し大きくなった僕が同じように、
少し大きくなったあの子に手を振っている。
あの子はすぐに「じゃあね。」って離れてく。
その背中を僕はずっと見つめてる。
小さくなってくあの子を見つめながら、
僕はなぜだか痛む胸を押さえる。
夢の中なのに喉を通り抜ける風がひやりと冷たくて
僕は泣きそうになる。
起きても尚消えないこの胸の痛みの正体が寂しさだと
気づくまでに僕はどれだけ無駄な日々を重ねただろうか。
あの子の背中ばかり見てたあの頃、僕はすごく寂しかったんだと
あの子の顔を思い出せなくなった頃にようやくそう気づいた。
それから、あの子の夢を見ることはなくなった。
だけど、あの夢の断片を思い出す度、
僕の心を微かに過ぎる鈍い痛みは
今でも僕をほんの少しだけ、悲しくさせる。
よしのさん僕は、
寂しくてわざと何日も返信しなかったり、夜出歩いたり、
飲めないお酒を飲んだり、煙草を吸ったり、
意味もなく人を嫌い、わざと傷つけ遠ざけたり、
そういうことはもう辞めます。
大人になることを決めました。
予感はしてた
だってその日は酷く落ち着かなくて
ヒグラシが五月蝿くて
きみが優しかった