帰り道、微笑ましい中学生の会話が聞こえてきた。
「なぁ、お前の好きな色ってなに?」
「んー?どうしたのさ急に。合コン始まった?」
「いやなんか唐突に気になってしまって。」
「ふーん。
逆になんだと思う?僕の好きな色。」
「茶色とか?小学校の時のランドセル茶色だったし。」
「おー正解、」
「なんで正解したのに腑に落ちてないんだよ。」
「合ってるんだけどね、
これにはちゃんとしたわけがあるんですよ。」
「へぇー?理由あるんだ。
お前直感で好きになるタイプだと思ってた。」
「いや普段はそうだけど、
これだけはちゃんとわけがあるわけ。」
「ここにきてだじゃれか?ちょっと寒くなってきたわ。
で、その理由はなんだよ。教えろよ。」
「いやそれは言えないですわ。」
「はぁー?なんだよそれ。
そんな大それた理由があるのか?」
「いやー別にー?
じゃあ俺こっちだから。また明日な。」
「ちょっと気になってきたんだけど。
明日理由聞くからな。じゃあな。」
と、まぁこんな感じ。好きな色の話をしてたみたいだ。
途中で気になって2人の様子を横目で見ていたが、
何となく分かった。茶色が好きな彼の理由が。
あまりに、もう1人の子の瞳を見つめてたもんだから。
きっと、彼の真っ直ぐな茶色い瞳が好きなんだろう。
『 好きな色 』
相合傘
嘘をついた
用なんて無いから雨が止むのを待てばいいのに
嘘をついた
1人で雨に打たれながら帰ってもいいのに
嘘をついた
傘はカバンの中にあるというのに
ある日落ちたんだここまで。
深く深く落ちたんだ。
胸が苦しい、それに光が見えない。
ここから抜け出したいのに抜け出せない。
そういえば落ちる直前、
今まで見た他の誰より綺麗な
天使のような人を見た気がする。
落下
『 好きな本 』
みにくいマルコ
『 好き嫌い 』
「すき、きらい、すき、きらい、すき、きらい、すき、
きらい、すき、すき、すき、すき、すき、っと。」
またこいつ変なことしとる。花占い懐かしいし。
てかめっちゃずるしとる。
「お前、ずるにも程があるやろ。」
「なんのこと?」
しらこいな、とぼけるつもりや。
「そんなん好きにしかならんやん、虚しくないん?」
「えー?だって好きでしょ?」
「何がや。」
「私のこと、好きでしょ?」
こいつ何変なこと言うてるん。びっくりしたわ。
誰がお前なんかのこと好きかいな。お前なんか別に、
「好きや。」
「ふふ、知ってる。」