時雨 天

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10/19/2023, 12:50:12 PM

すれ違い



好物を大きな口を開けて食べる姿が愛おしかった。
たわいもない話をして、馬鹿みたいに笑っていた時もあった。
いつからだろ、一方通行になったのは。
気がつけば、会話も減った。最低限の会話は業務連絡くらい。
一緒にいても、空気が凍りつく感じ。なんだか居心地が悪い。
無理に楽しい会話をしてもそっけない。ふーん、そうとか、へぇーとか。
モヤモヤ、ズキズキ、イライラ。心に少しずつ、亀裂が入っていく。
何があったのか、何がダメだったのか、泣いて聞いても、怒り狂って聞いても、答えてはくれない。

――ごめん、無理。好きな人ができた。

細い糸がぷつんっと切れた。
気づいた時には、遅かったのだ。
いつの間にか、二人はすれ違っていたのだと――

10/18/2023, 11:07:05 AM

秋晴れ



絵に描いたような、雲一つない青い空。
息を吸うと空気がカラッと乾いて澄んでいる。
夏の蒸し暑く、じめじめとしたものとは違う。
とても気持ちいいものだ――

10/17/2023, 12:39:08 PM

忘れたくても忘れられない




何度も忘れようと思った。
両思いになって、付き合って、すれ違って別れた。
なのに、何年経っても何十年経っても忘れられない。
それだけ好きだったのかと思ってしまう。
向こうはなんとも思ってない、わかっていることなのに。
忘れよう忘れようとすればするほど、忘れられない。
たまに夢に出てきた時の朝は最悪。動揺してしまう。
忘れたくても忘れられない、まるで呪いみたいだ――

10/16/2023, 1:09:29 PM

やわらかな光





春の日差しは、やわらかく暖かい光。
うとうととしてしまう、心地よさ。
なんだかいい夢でもみられそうな予感。
そう思うと笑みが溢れた――

10/15/2023, 1:43:33 PM

鋭い眼差し




じーっと見てくる、その瞳。いつもその瞳に射られてしまう。
ずっと気になっていた。なぜだか、わからない。
周りは、怖いとか睨んでいるとか言っているけど……
そんなことないのに。偶然見かけた、動物と話をしている時は、とても優しい眼差しをしていた。
一人教室で本を読んでいる時は、その瞳は真剣でキラキラと輝いていた。
苦手な体育の時は、動揺する瞳。あっちこっち動く。
私だけが知っている、彼女の様々な表情ならぬ、瞳たち。
わかりやすいのにと頬杖をつきながら、彼女をちらりと見ると鋭い眼差しで見られた。
ドキッと心が揺さぶられる。一瞬で矢に射られたような。
ごくりと唾を飲んで、今日こそ、彼女に話しかけようと思った、高校二年の春――

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