時雨 天

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鋭い眼差し




じーっと見てくる、その瞳。いつもその瞳に射られてしまう。
ずっと気になっていた。なぜだか、わからない。
周りは、怖いとか睨んでいるとか言っているけど……
そんなことないのに。偶然見かけた、動物と話をしている時は、とても優しい眼差しをしていた。
一人教室で本を読んでいる時は、その瞳は真剣でキラキラと輝いていた。
苦手な体育の時は、動揺する瞳。あっちこっち動く。
私だけが知っている、彼女の様々な表情ならぬ、瞳たち。
わかりやすいのにと頬杖をつきながら、彼女をちらりと見ると鋭い眼差しで見られた。
ドキッと心が揺さぶられる。一瞬で矢に射られたような。
ごくりと唾を飲んで、今日こそ、彼女に話しかけようと思った、高校二年の春――

10/15/2023, 1:43:33 PM