静寂に包まれた部屋





静かな部屋で目を瞑り横になる。
どんどん無音に近くなっていく状態。
呼吸をする回数も少しずつ減らしていく。
静寂に包まれた部屋はまるで、世界に一人残された気分だ。

別れ際に




時間はあっという間に過ぎていく。
まだまだ一緒にいたかったのに。寂しさが少しずつ少しずつ募っていく。
ホームに電車が入ってきた。するりと解けていく手を別れ際に、もう一度握る。
そして、へにゃりと笑って、またね、と言った――

通り雨




さっきまであんなに晴れていたのに、急にどんよりと暗くなった。
そして、ぽつりぽつりと雨が降り始める。
嫌な感じの雨ではなく、どこか温かみのある雨。
空に目線を移すと遠くの方で青空が見えている。
もうしばらくしたら、雨が止むであろう。そう思っていると、雨足が段々遠のいていく。
何事もなかったかのように、また空が明るくなった。正しくその名の通り、通り雨。
ついでと言ってもなんだが、うっすらと虹が出ていた――

秋🍁




秋といえば、思いつくのは赤や黄に山を染める紅葉である。
冷たい風に吹かれ、揺れ動く。かさかさと音を立てている。
まるで、お喋りをしているかのようだ。
耳をすませると黙ってしまった。お喋りをじっくりと聞かれたくなかったみたい。
今まで立ち止まって、紅葉を見つめていたが、ゆっくりと動き出す。
落ち葉の絨毯の上を歩くとさくさく、さくさく音が鳴る。
秋を感じた後は、冬がやってくる。それまで、秋を堪能しよう。

窓から見える景色





飛行機の窓から見える景色は、どこか特別なものだと感じる。
わたあめのような白い雲、小さくなった街並み、どこまでも広がる青い海。
乗る度に、胸が高鳴る。見ていて飽きないし、普段じゃ味わえないものである。
富士山が見られた時は、いいことがあるかもしれないと興奮した。
飛行機の窓から見える景色は、本当に良いものだ――