脚を必死で動かして
あ、隕石はあと五分
あの丘の上まではあと四分
もうすぐ着くよ
もうすぐ
もう、楽しいなぁ
君といるから
楽しいのかな
それとも
体力を消費したから?
刺激のある行動だから?
まぁ
どうでもいっか。
楽しいよ。
ほら、月まで走ろうよ!
最期
楽しい最期で良かった。
また―…
震える手で、一つだけ何かを望むなら
私は救いを願うだろう。
人は祈る事に価値を見出しているのではないか。
無宗教な人間は全て無神論者なのだろうか。
救いを願う相手が神であるだけで宗教、神道を信じているのだろうか。
私以外の全ての存在意義が無くなったとき、私の存在意義も無くなるのだろうか。
神妙な医者が口籠る。
窓で結露してできた水滴がひたりと落ちる音が
重苦しくてたまらない。
この空間を責めているように感じる。
誰も私のことを分からない。
分かってくれない。
そのことをどうにも理解できないから
医者に私をわかってもらおうとしたけど
やっぱりわかってもらえない。
誰か私を理解してほしい
メタ認知力はあるけど
それを周りに話しても
誰も理解してもらえないから
私と同じ人間が欲しい。
私はそれを友人と呼びたい。
早く来てよ
私の友人。
逃げよう逃げよう逃げよう
早くこの場から逃げよう
私が私であるために
私が私でなくなる前に。
三角頭の異形の物体を前に
私は無価値な返答を繰り返す
何も覚えていない
何も考えていないからである。
時計の軋む音が煩い。
これは単なる耳鳴りだと思う。
ここには声の一つさえない。
私はこの場から逃げたいと思う。
全てを奇妙に思う。
早くこの夢から逃げたいと思う。
早く、目醒めたいと思う。
ある人を知る。
それが私にとっての胸が高鳴るものである
生き甲斐にもできるほどの胸が高鳴るものである。
ある人を知る。
それすなわち歴史である。
1つ、一番心に残った人を思い浮かべる。
自分でも良い、友人でも良い、歴史的人物でもいい。
1番、好きな人を思い浮かべる。
それで、私は満悦である。
貴方はどうか?
貴方は1番心に残った人物を研究してみたくはないか?