蝶よ花よ
私は娘を生まれた時から大事に大事に蝶よ花よと育ててきたつもりだった。
娘が小さい時に夫とは離婚し、女で一つで大事に接していた。
けれど、最近の娘とは喧嘩してばかりだ。
愛情は昔も今も変わらないが娘との距離は遠くなっている。流石に高校生ともなれば親に反抗する時期なのだろうか。喧嘩する時にも、私はいつも大人げなく言い返してしまう。
しかし、後から後悔するのだ。
ちょっと言い過ぎたな。
もっと歩み寄れたな。
反省の嵐だ。
ため息をついて料理に取り掛かる。
ご飯でさえ、娘と食べるけれど話さなくなった。
話しかけても無視や冷たい反応をしていて、どう考えても反抗期でしかない行動をしてくるのだ。
仕方ない。今我慢すれば反抗期が終われば大丈夫だ。
そう言い聞かせて日々の生活を過ごしていく。
ある日
娘が彼氏を連れて来た。
いつもとは違った顔をして照れたように笑いながら言う。
「お母さん。この人私の彼氏なの。
お母さんに紹介したくて・・・・・・」
娘ときちんと目を合わせて話したのは久しぶりだった。
娘は私に紹介したかったと言っていた。
いつもの私に対しての態度とは大違いだ。
まあ、それでもいいか。
娘が毎日楽しそうに過ごしてくれたら私はそれで満足だ。
娘に微笑んで
「あら〜、初めまして。この子の母の愛下 絵里です。
どうぞ。上がってお茶でもいれるわ。」
最愛の娘がその彼氏に幸せそうに笑っているのを見てウルッときたことは秘密だ。
完
小学5年生の時、本を手に取ってはまってしまったことは
偶然じゃなかったんだと思う。
もちろん、幼稚園児から小5になるまで本を全く読んでいた訳じゃない。
小学生の朝の読書タイムとかそーゆう時間には本を手に持ってたけど、適当に読んでた。
だけど、小5で本をちゃんと読んで少しレベルアップした本を読んで面白さを知った。
うちの家族は私以外みんな本をあまり読まない。
眠くなるから〜とか。
そんな時間取れない〜とか。
うちの家族も友達も親戚もみんなみんな本をあまり好きじゃない人はそういう理由だ。
そんな両親や親戚に囲まれて育ったのに私は小5の時に本にハマって面白さを知った。
本を読んでると眠くなるから嫌〜って言っている人のもとで。
別に全部が全部遺伝って決めつける訳じゃないけど、私は日々の生活のなかでお父さんと同じだ〜、とか、お母さんと同じだ〜って思うことが多い。
でも、私はお母さんとお父さんと違って本が大好きだ。
「この世で1番好きなものは何か?」
って聞かれたら
「本です。」
って即答できるほどに。
本がなかったら今の私はいなかった。
想像もできない。
本がない人生なんて想像できない。
だから、あの小5、本を手にとって本格的に読み始めたあの瞬間の出来事は私の人生の中で大きい大きい重要なことは最初から決まってたのかもしれない。
本が大好きだ。
嫌なこと一瞬でも忘れさせてくれるし、嫌な時でも元気にさせてくれるし、何よりワクワクして面白くてたまんない。
あの時ちゃんと本を手に取って真剣に読んで良かった〜
心から思う。
あの時の自分を褒めてやりたいし、
何よりも本を書いてくれている作家さんに感謝だ。
本当にありがとう。
太陽
私は太陽みたいにはなれない。
一生かけてもなれない。
光輝くことなんてできない。
友達なんていらない。
ただ1人いてくれたらそれでいい。
でも、別にみんなと話せるしハブられてるわけでもないし、普通にみんなと仲良くできる子だって。
そう思ってた。自分で。
家族からは「友達が少ないね。」
そう言われるけど、別に友達はいっぱいいる。
ただ、休日に遊んだりする友達が少ないだけって。
そう思ってた。
けど、今日クラスメイトの子達が自分のことを友達少ないって思っていることを知った。
あぁ、休み時間も本読んでるからそう思われてるんだろうなって、思った。
けどさ、私はクラスの子たいはんの子達を友達だと思ってたよ?
けど、みんなは私のことを友達少ない子って思ってたらしい。
私自身も別に本が読めれば、好きな事ができればいいって、自分の好きなことをやめてまで誰がと一緒にいる必要ないって。
そう思ってたのに。
でも、クラスのみんなとは普通に友達だと思ってた。
笑えるよね。
友達なんか1人で大丈夫だって。
幸いにも私には親友がいるから別にいらないって思ってなのに。
それなのに、自分が周りからそう思われてるって知って気にしてる、傷ついてる自分がいた。
知りたくなかったな。
みんなはクラスの私のこと友達少ないって思ってる子は友達って何?
どこからが友達なの?
どこからが友達じゃないの?
もう分かんないよ。
自分の気持ちでさえ分かんなくなってくる。
私はみんなにどう思ってほしいの?
私は友達が多くほしいって思ってるの?
もう分かんない。
全部全部。
こんな周りからの考えを聞いて
学校行きたくないなって思った。
このまま、いっそ、私消えたいなって。
ほんと笑える。
弱すぎて。惨めすぎて。
友達べつに多くいらないって思ってるくせにみんなからの考えを知ったら傷つく。
ほんとに弱くて惨めだ。
太陽みたいに光輝く明るい子になりたい。
なんて
鐘の音
鐘の音って聞いたら小学5年生の時を思い出す。
私の友達のBちゃんはお寺の娘だった
夏休みだったかな、私はBちゃんの家に遊びに行った。
Bちゃんの家の寺は5時になったら鐘を鳴らす。
私とBちゃんが遊んでるとあっという間に5時になった。
Bちゃんのお父さんが鐘を鳴らそうと外に出てきて私に言った。
B父「せっかくBの家に来たんだし、A(私)ちゃん、鐘鳴らしてみる?」
私はまあ、せっかくだしと思ってやらせてもらうことにした。
私「はい。じゃあやってみます。」
そう言ってBちゃんのお父さんの元に行って鐘の前に立つ。
B父「よし、じゃあ叩いてごらん?」
私「はい。」
そう言って思い切りガーンと鳴らした。
楽しい。
そう思って2回ぐらい鳴らすと私は思った。
ん?
これ何回鳴らせば良いんだ?
まあ、Bちゃんのお父さんがやめるときは言ってくれるよね?
ガーン、ガーン、ガーン、ガーン
鳴らした。
B父「よしっ、よしっ、もう良いよAちゃん?
ちょっと鳴らしすぎかな。」
苦笑いして言われた。
だったら止めてくださいよ!
初めてだから分かんないよ!
そう思いながら
私「はい。すみません。」
少し気まずい雰囲気になりながらそっからまた少しだけBちゃんと遊んで家に帰った。
あの時は小5ながらも気まずい思いをしたな。
私はBちゃんの家に行くたびにそのことを思い出す。
ちっぽけなことだな。
でも、あれは気まずかった。
いや、そんな気まずいって言うほどのことじゃないかもしれないけど、気まずかった!
止めてよっ!って思ったな〜
まあ、こんなしょーもないこと思い出すんだから今日も平和ですわ。
感謝感謝!
日々を平和に過ごせていることに感謝しときましょうっと!じゃ、また明日〜
つまらないことでも
つまらないことでも君とならどんなことでも楽しいと思えるんだ。
笑顔でいられるんだ。
だから今日も私はあなたとかけがえのない大切な時間を過ごす。
「ねー、今日なにする?」
彼氏のまーくんに聞くと、ん〜って悩んだ素振りを見せて言う。
「何もしなくていいんじゃない?
俺はこうしてめいと一緒にいられるだけで楽しいんだよ?例え君とつまらないことをしてても俺は楽しいって思えるんだ。だから、ずっと一緒にいて?」
あぁ、まーくんも私と同じこと思ってる。
それがとてつもなく嬉しくてたまらない。
私はまーくんに微笑んでゆったりと2人で大切なかけがえのない時間を過ごした。