1/29/2023, 6:17:19 AM
街へ
この夏も
いつかの冬も
忘れた秋も
望まない春も
訪れないよ
足を踏み入れるなんて
今更許されないよ
待たせたままでごめんね
お互いに無関心でいましょう
あの待ち合わせの場所も
朽ちていくベンチの影も
頭の片隅にさえなくなった時
また会いましょう。
1/21/2023, 12:31:39 AM
海の底
水中は暗いことも
光は届かなくなることも
冷たさが終わりを作ることも
何も知らなかった頃
私は幸せだったはずだ
無知が救うことだってあったはずだ
中途半端な知性が
私を突き落とした
いつか習った浮力の仕組みも
何一つ役に立たなかった
抗うこともなく
ただ無気力だけを抱いて沈んでいった
しばらくして体温が消えたとき
陸では私が
一枚の紙になった。
1/19/2023, 4:48:28 PM
君に会いたくて
凡庸な言葉で誘ってみた
「あそぼうよ」
あなたは優しいから、いつもの優しい声で言った
「いつにする?今日でもいいよ」
普段寡黙な私は、柄にもなく微笑んでしまった
「明日は休みでしょ、昼ごろ行くね」
「うん。待ってる」
いつも無口な2人の間を、そよ風が抜けていった。
1/18/2023, 10:49:00 AM
閉ざされた日記
誰にも届かない言葉たちが
殴り書かれて
乱暴に放置されて
なんの救いにもならない
毎日の理不尽が
記憶のままにぶちまけられている
「馬鹿、私のせいじゃない」
1/18/2023, 10:45:59 AM
木枯らし
窓を叩くのは
誰でもない
人でもない
夜の外を見つめた
花はまだ咲かない
蝶も飛ばない