アクリル

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海の底


水中は暗いことも
光は届かなくなることも
冷たさが終わりを作ることも

何も知らなかった頃
私は幸せだったはずだ
無知が救うことだってあったはずだ

中途半端な知性が
私を突き落とした
いつか習った浮力の仕組みも
何一つ役に立たなかった

抗うこともなく
ただ無気力だけを抱いて沈んでいった
しばらくして体温が消えたとき

陸では私が
一枚の紙になった。

1/21/2023, 12:31:39 AM